第736回
■ドラゴンさんからのQ(質問):地方の今後について

こんにちは!いつも楽しく読んでおります。
有意義な時間をいただき感謝しております。
「地方は終わった」という先生の答えに思わず息を呑みました。
私は地方に住んでおり、確かに私の町に古くからあった
大きな工場の生産ラインが中国に移ったりしていますが、
私はそれはそれで中国でできることはやれば良いし、
日本でしかできないマーケティングや
きめ細かな対応を強化していけば
十分生きる道はあると考えていたからです。

インターネットや高速道路などインフラの普及も成熟し、
日本において地方だから将来はあまり明るくないというより、
地方にいても世界へ通信、交流できるようになったので
考え方ややりようで豊かになれるのではないかと考えていました。

先生のおっしゃる意味は、
それでもどうせやるなら成長著しい上海など環境の良い場所の方が
成功しやすいということでしょうか? 
意味を取り違えておりましたらお許しください。


■QさんからのA(答え)

私が地方の時代は終わるよと予言したのは15年位前です。
嵐山光三郎さんが私が書いたものを見て、
「自分もそう思ってたけど、やっぱりそうですか」
と私の本の解説に書いていたことがございます。

どういうことかといいますと、
地方に工業化の波が及んだのは、
もう都会では工場で働く人が集まらなくなってたので、
地方に残っている人達の力を借りるために
地方に工場を作るようになったからです。
しかし今度は外国に工場を作る時代に変わるので、
地方の栄える時代は短命にしておしまいになりますよ、
ということです。

それがとうとう誰の目にも映るようになって
私が地方の講演にたまに行きますと、
ここが閉めた、向うが閉めたという話ばかりなんです。
ではどうすればいいかというと
地方の工場で働いていた人達は、その過程で仕事を覚えましたから、
今度は地方にこだわらないで、
覚えた仕事を持って動くことです。
あなたがおっしゃるように、
地方にいても上海とだって広州とだって
直結して仕事をやれるのですから
変り身の早い人はやることがあるということです。

地方の時代は終わったけれども、
国境の壁もほぼ崩れ落ちてしまいました。
他所へ行って仕事をやることができます。
あなたも地方でウロウロしないで仕事のある所へ動いて、
時々故郷の方を向いて
懐かしむ方がよろしいんじゃないですか。


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