第559回
■T.NさんからのQ(質問):そう長くは続かない?

いつも興味深いお話をありがとうございます。
中国の経済発展の将来性について是非、
先生のご意見をお聞きしたくてメールさせていただきました。

時事評論家の増田俊男先生が
「今の中国の経済発展の息はそう長くは無い。
なぜなら、中国の経済成長を支えているのは、
安い人件費と安い元を世界中の企業が利用しているからであって、
かっての日本のように独自の技術力で
付加価値を創造した成果ではないので、やがて人件費が上がり、
元も切り上げられると世界中の企業も
だんだんよその国へ移っていってしまう。
そうなれば低成長になり、
これまで高成長化で隠れていた矛盾が表に出てきて
政治的にも経済的にも混乱を生じる恐れがあるので、
投資する場合は、手を引くタイミングを誤らないように注意が必要」
と、言うような事をおっしゃっていたのですが、
先生はどう思われますか。宜しくお願いします。


■QさんからのA(答え)

増田先生は私も存じ上げていますけど、
目は主としてアメリカの方向に向いておりますので、
中国のことはどちらかというと、
頭の中で考えておっしゃっている段階だと思います。
もちろん増田先生がおっしゃっているような危険はあります。
でも中国で今起こっていることは、
日本人の過去の経験で判断するのとは
かなり違うと考えた方がよろしいでしょう。

技術面で中国は当然日本より遅れておりますけども、
日本も昔は遅れていたんです。
日本人は職人的な才能がありますから、すぐ技術をマスターしましたが、
実は中国人にもそういう歴史はあるんです。
今日見てもわかるように、
オートバイだろうと自動車だろうと家電製品だろうと、
あっという間に習得して、
コピーをしたオリジナルに劣らないだけの品質を持った製品を
次々と作り出しております。

やがて賃金が上がるといいますけど、
予備軍の多い分だけ賃金が上がるのにも時間がかかります。
中国の弱点になっているところは
同時にまた長所であるという面もあるんです。
ですからその先の先までお考えになる必要はないと思います。

先の先まで考えたらどうせ死ぬんですから、
働かなくていいということになってしまいます。
事業というものはある地点に達するまでのプロセスのことを言うんです。
だから、10年の間を無視して、
10年先のことを考えても仕様がないので、
それまでの10年の間に
どうやって飯を食って行くかということの方が大切だと思うんです。
私の見るところでは、これから10年の間中国の人は
いまの3倍ぐらいまで所得をふやせますので、
それがどんな変化を世界にもたらすかに注目して下さい。


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