■QさんからのA(答え)
増田先生は私も存じ上げていますけど、
目は主としてアメリカの方向に向いておりますので、
中国のことはどちらかというと、
頭の中で考えておっしゃっている段階だと思います。
もちろん増田先生がおっしゃっているような危険はあります。
でも中国で今起こっていることは、
日本人の過去の経験で判断するのとは
かなり違うと考えた方がよろしいでしょう。
技術面で中国は当然日本より遅れておりますけども、
日本も昔は遅れていたんです。
日本人は職人的な才能がありますから、すぐ技術をマスターしましたが、
実は中国人にもそういう歴史はあるんです。
今日見てもわかるように、
オートバイだろうと自動車だろうと家電製品だろうと、
あっという間に習得して、
コピーをしたオリジナルに劣らないだけの品質を持った製品を
次々と作り出しております。
やがて賃金が上がるといいますけど、
予備軍の多い分だけ賃金が上がるのにも時間がかかります。
中国の弱点になっているところは
同時にまた長所であるという面もあるんです。
ですからその先の先までお考えになる必要はないと思います。
先の先まで考えたらどうせ死ぬんですから、
働かなくていいということになってしまいます。
事業というものはある地点に達するまでのプロセスのことを言うんです。
だから、10年の間を無視して、
10年先のことを考えても仕様がないので、
それまでの10年の間に
どうやって飯を食って行くかということの方が大切だと思うんです。
私の見るところでは、これから10年の間中国の人は
いまの3倍ぐらいまで所得をふやせますので、
それがどんな変化を世界にもたらすかに注目して下さい。
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