第394回
■I・YさんからのQ(質問):上海でコンサルタント会社設立

わたしは、現在マレーシアのクアラルンプールにて
個人で会社を設立したところです。
先生のご本は学生のころから愛読していて、
大きく感化されている愛読家の一人です。

そもそも、マレーシアに最初に来たのは1990年の正月でした。
1988年当時、バブルに浮かれる日本に違和感を感じ
単身オーストラリアのパースに個人留学しました。
そこで、中国系のマレーシア女性と知り合い結婚することになり、
マレーシアを訪れることになりました。
マレーシアはちょうど高度成長の真っ只中で、
町中が活気に溢れていて、すぐにこの国に魅かれました。
最初は、雇われ校長として、
現地の日本語学校の経営と教師をやっておりました。
その後、現地中国人で特許事務所をやっている人と親しくなり、
彼の仕事を手伝いながら、自分で幾つか会社を経営しました。
最終的には自身の経験不足から撤退を余儀なくされ、
子供の学業のこともあり、
1996年の暮れから今年の2月まで日本に帰っておりました。

ただ、日本でだらだらサラリーマン生活を続けるのには限界があり、
再びこちらで再出発をはかる決意をしました。
現在、企業のための調査と経営の猛勉強中です。
只今、緊急案件として、
こちらで知り合いの中国人コンサルタントと共に、
上海でのセミナーを主体とするコンサルタント会社の設立に
資本参加しないか、というオファーを受けているのですが、
中国ビジネスに関する相談窓口がありましたら、
至急教えていただきたいのですが。
是非、一度先生にお会いできる機会が訪れることを願っております。


■QさんからのA(答え)

クアラルンプールで会社を設立した経験がおありのようですけど、
よその国で商売をするのは、そう簡単にはいきません。
自分の国だってなかなか出来ないのに、
よその国ではもっと難しいと思います。
しかし、今まで置かれたこともないような環境で
仕事をやっておりますと、
日本に帰ってきて刺激の無い生活などしておられなくなると思います。
そういう意味でもう一遍新しいところでやり直そうと
上海へ行くというのは心情としてはよくわかります。

ただ、そこへ行ってやる仕事を何にしようかと考えた時に、
また同じことの繰り返しにならないように
気をつけないといけません。
今までやっていた仕事を辞めた人にしばらくぶりで会うと、
渡された名刺に「何とかコンサルタント」と
書いてあることがよくあります。
今まで証券会社に勤めていてもお金持ちにならなかったのに、
投資コンサルタントというのは
一体どんな仕事なんだろうと思うことがあります。

口先だけでやる仕事のことをコンサルタントと呼ぶのでしたら
私はそういう仕事はおやりにならないほうがいいと思います。
小さくても、一つ一つ積み重ねていったものが
お金になっていくというのでないと仕事ではありません。

それからよその土地へ行って、
飛び込みで仕事ができるということもまずないと思います。
中国は法で治める「法治」の国ではなくて
人が治める「人治」の国と言われています。
人間関係で色々なことが成り立っているので、人間関係を辿って
新しい道を作っていくというのでないと仕事はできません。
13億もの人がいますから、
素性の分からない人に飛び込まれると、
警戒心の方が先に立ってしまいます。
先ず人と人の関係から入って下さい。


←前回記事へ

2003年9月28日(日)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ