第380回
■どっこいさんからのQ(質問):管理社会と奴隷制度

邱永漢先生

こんにちは。
すこし前に先生のホームページで
携帯電話についてのお話がありました。
もうかなり昔のことですが
サイボーグ人間の漫画物語がありました。
未来の人間は体の中に機械を組み込まれて
外部からコントロールされる。
そんな時代が来たら恐ろしいなと子供心にも思いました。
夢は実現されるといいますが、
携帯電話がまさしくこれだと思います。
管理社会の常として行動を他人に制御されるようで
実にイヤな気持になります。
今は常識になってしまいました携帯電話も
一昔前は得意気に使われている方が多く
不思議な感じで眺めていました。

かくいう私は、たまに飲み屋に行くと
携帯電話の番号を教えて下さいと片言の日本語で質問されて、
『持っていません』と答えると、うそ奥さん怖いのとか、
思わぬ方向に話が進み、今時携帯電話を持っていないことは、
まったく信じてもらえません。
友人からもかなりあきれられています。

たしかに会社からは業務の都合ということで
携帯電話を持たされていまして、
これもいつのまにか給料をいただくための
一部になっているのでしょう。
ついこの間までは携帯電話がなくても
みなさん業務がまわっていたのに、
携帯電話の効能を認めないこともないのですが
ほんとうにどのくらい役にたっているのでしょうか。
会社指示による携帯電話保持という習慣は、
昔よくあったといわれる
社内旅行・運動会や呑み会のようなものと思いあきらめています。
しかしせめても本当の個人用携帯電話だけは
持たないという心意気だけは堅持していきたいと思います
が、時代遅れの人間になってしまうのでしょうか。

邱先生もいまどき携帯電話を持たない部下は
やはりダメなのでしょうか。
なんらかの他人にできないような
付加価値を提供することによって、
会社からあいつは携帯をもっていないけど、
しょうがないなクビにはできないなと思わせるような
サラリーマンになりたいのですが。いかがでしょうか。


■QさんからのA(答え)

携帯電話について私が少々不満をもらしましたら、
結構反応がたくさんありまして
賛成する人もおれば反対する人もおりました。

ひところ煙草をみんなが吸っていた頃には
煙がいやという人たちは
どうしていいかわからなかったことがありましたけど、
最近は煙草を喫う人が
喫煙室に押し込まれるようになってしまいました。
それに代わって今度は携帯電話公害というものが発生して、
電話がやかましいという人は
もうどうしていいか本当に困ってしまいます。
携帯電話を持っていない人のほうが少なくなりましたので、
携帯電話を持たない人の入る部屋というのでも作らなきゃ
成り立たないかも知れません。
本当に携帯電話を使ってもいい場所と
使ってはいけない場所というのを
ちゃんと区別する必要があると思うんです。

日本はまだいいほうで、中国はもっと酷いんです。
何しろ普通の電話が普及する前に携帯電話になってしまいましたから、
人の前で話すのが当り前だと思っていて、
飛行機を降りてバスに乗ったら
バス中に聞こえるんじゃないかというぐらいの
大きな声で話をするんです。
なぜだかこっちの方が肩身の狭い思いをしております。

読者の方から部屋の中に携帯電話が通じなくなる装置を置いておけば、
相手に気付かれないで済むと教えられましたので、
近くそれを自分の応接間にも据えつけようと思っております。
どうも有難うございました。


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