第320回
■T・TさんからのQ(質問):ご高齢の方の心理

拝啓

初めてメール送信差し上げます。
HPいつも大変興味深く拝読させて頂いています。

私は30代の人間ですので、
ご高齢の方の心理というものは当然推測は出来ても
感情の点で共感することは殆ど不可能に近いのです。
そこで、思うのですが、
純粋に数字の上では高齢者が必要とされるお金というものは
年齢を重ねるに従って少なくなるものだと考えています。
若年層もいずれは高齢者の段階で必要とする金額に変わりは無く、
そこまでを生き抜くために必要な金額はプラスされるのですから。

もちろん、大多数の高齢者の方は新たにインカムを得る手段、
能力が若年層に比較して劣ることは理解できます。
しかし、その点を考えても
一部の資力ある高齢者の方々の行動は
あまりに自己保身的に私の目には映るのです。
例を挙げれば現金、不動産といった資力をもちながら
投資には廻さず、また年金を受け取り
医療、交通機関での優遇措置は享受するといった行動です。
合理的と言えばそれまでですが、見苦しくもあります。
そこで、こういった方々の心理の一端が知りたく
大変失礼とは存じ上げますが
ぜひご質問させて頂きたくお願い申し上げます。

以上乱文にて失礼ですがご回答いただければ幸いです。

敬具


■QさんからのA(答え)

いま30代のご自分の眼から見ると
年寄りの行動は不可解だという話ですけれど、
私にくれたこの手紙を残しておいて、
あと30年経って自分が年をとってから
もう一度ご覧になるといいと思います。
もしその時もやはり同じ考え方だったら、あなたは正しいでしょう。
でも実際には、年寄りがどうしてそういう考え方をするかについて、
ほとんど研究もしていないし、
また年寄りに対して同情心もないということだと思います。

年をとった人がケチケチするのは、
これから先いつまで生きるか、
死ぬまで自分はちゃんとメシが食えるのか、
ということが心配だからです。
そういう人たちにお金を使えというのは無理な話ではありませんか。
年寄りがお金を持っているのは、
行く末を心配してあなたの年の頃から貯めたからです。
そのお金を年寄りが直接投資をしなくとも、
お金が無駄になるわけではありません。
年寄りだけでなく、日本では一般に
お金を動かすのが苦手だという傾向があります。
そのために銀行にお金が集まり、
銀行が預金者に代わって産業界に融資や投資をしてきたのです。

ですから年寄りだけが駄目ということではありません。
ただ年寄りはお金を持っておりますので、
その年寄りを標的に、いろいろと新しい商売を考えるのは、
産業界の新しい動きのひとつと見てよいでしょう。


←前回記事へ 2003年7月16日(水) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ