第239回
■村上ひろみさんからのQ(質問):中国の男女比率について

邱永漢先生、ホームページありがとうございます。
ところで先日、在米ジャーナリストの佐藤成文さんという方が、
地方議会人という雑誌の3月号に
中国の男女比のアンバランスについて
書いているのを読みました。

それによると、1995年湖北省の統計では
女100に対し男130.9という
驚くべき比率が示されています。
父系優先の儒教社会と超音波診断装置の普及、
一人っ子政策がその原因であり、
中国政府も選択的堕胎を犯罪として処罰するなどしているが、
女児比率の低下は収まっていないということです。
そして未婚男性が3千万人に膨れあがる
見通しであるということです。
歴史的にみるとこのようなアンバランスは、
「戦争」(軍事冒険主義と文章にはありました)や
植民地への移民等によって解決されたとも書かれていました。

このような中国の男女アンバランスの状況を
邱先生は、どのようにお考えでしょうか、
その一端でもお答えいただければ幸いです。


■QさんからのA(答え)

中国には一人っ子政策というものがあって、
子供は1人しか生んではいけないということになっていますので、
男と女のどちらにするかということになると、
たいていの人は男を選ぶんです。

いまはお腹の中にいる時に男か女かということが
大体わかるようになったので
女らしいとわかるとやめてしまうため、
それはだめだと政府が罰則を設けたりしています。
北京で私のマッサージをしてくれているマッサージ師は
子供が2人いると言ったので、
どうしてと聞いたら実は双子だったということでした。
でも1人であればたいていの人は男を選んでしまいます。
ですから男の数が3千万人も多いというようなことが
起ってしまうのですが、困ることは事実です。
その調子で男ばかりになってしまえば
その内に女の子を産んだ方が値打ちがあるということになります。
でも自分の家庭を見てもおわかりのように
男の子はだいたい親不孝で、女の子の方が親思いなんです。
自分が年をとったときのことを考えたら
本当は男の子はやめておいた方がいいんですね。

日本の場合はいくら産んでも良いどころか、
もっと産んで下さいといっても産まないのですから
これはもっと困るということではないでしょうか。
ひとの国のことばかり目に付きますけど
自分の国のことをどうするかということだけで
もっと頭が痛くなるのではないでしょうか。


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