| ■QさんからのA(答え) ソバ屋さんの話と重なりますが、この頃はラーメン屋なら簡単にできると考える人が多いようですね。
 と言うことは、この商売は難しい商売ですよと言うことなんです。
 日本のラーメン屋が香港や台湾でブームになっていることは、私も本に何回も書いたこともあります。
 ラーメンはもともとは中国から始まったもので、
 ちょうど自動車がアメリカから始まったけど
 日本人がそれを真似して作って、
 逆にアメリカを攻めることができるようになりました。
 それと同じようにラーメンも中国のもので、戦争中に兵隊で行った日本人が
 休みの日に行って食べた物だと思うんです。
 それを持って帰ったのが札幌ラーメンで、
 私も前に札幌ラーメンに行って、うちのカミさんと二人で見て、
 「おや、これは中国の作り方だな」と感心して、
 本人に「これ、どこで覚えたの?」と聞いたら、
 「兵隊に行った時に覚えたものです」という話でした。
 それが日本で定着をして、日本全国それぞれの土地で、
 博多ラーメンもあれば札幌ラーメンもあって
 色々とできたんだと思うんです。
 それが今度は、中国や、香港や、あるいは台湾で商売になっています。
 しかし、それは日本人を相手にしていたのでは商売になりません。
 よその国に行って店をひらく時、日本はすぐそこにいる日本人を相手にしたがりますが、
 それは間違いで、
 その土地の人に食べてもらえるかどうかで勝負がつきます。
 日本料理屋がよその土地に行ってもあんまり繁盛しないのは、
 そこにいる日本人だけを対象相手にしようと考えるからで、
 上海に行っても、パリに行っても、
 その土地の人に食べてもらうためにはどうするか
 工夫することからはじめるべきだと思います。
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