第34回
■ やすやすさんからのＱ（質問）

邱　永漢　先生

　毎日楽しく拝見させていただいております。
私は信用金庫に勤めて６年目になりますが、
現在では仕事にやりがいを感じることができなくなってしまい、
新しい一歩を日本国内にとらわれず踏み出したいと考えています。
その為、この１年間に少しずつでも休みをとって、
上海、深、香港、台湾、韓国、シンガポール、マレーシア、ＮＹと
観て来ましたが、やはり先生のおっしゃる通り一番興味を引かれたのが
中国でした。そこで上海への留学を考えているのですが、
どうせなら一週間と言わずに、
会社を辞めて長期留学に踏み出そうと思います。
よろしければ先生のご助言をよろしくお願い致します。

■ ＱさんからのＡ（答え）

信用金庫にお勤めになって6年になるそうですけど、
今、信用金庫だけでなくて金融機関は皆
いままでで経験をしたこともないようなピンチにぶつかっておりますので、
銀行員の人たちははじめて就職をした時と勝手が違って
みんな意気沮喪しております。
今後どうやって元に戻るかについては、私にも見当がつきません。
年齢的にまだ30前ですし、
別の新しい道を探すのも一つの方法かと思います。
そのために中国へ留学に行くことについては賛成です。
ただ、私のところにも中国へ留学して卒業してきた人たちが
職を求めてこられますけど、
大きな会社にお勤めをするというのは案外難しいんですね。
その代わり、そこからはじまって、
将来自分で日本と中国との間の橋渡しをして成り立つような商売が
たくさんありますから、
予めそういうことを頭に入れて留学をして、
自分の目で中国を見、また日本をふりかえって見る
というところからはじめていただきたいと思います。