■ QさんからのA(答え)
穴に落ち骨折状態にある28才の男の人に
日本人にとって中国人とつきあうのが、大へんなように、
中国人にとっても日本人とつきあうのは大へんなことです。
それはお互いに育った環境も違うし、物の考え方も違うからです。
もちろん、約束を守らない人もあれば、嘘をつく人もあれば、
信義にもとるようなことをする人もおります。
しかし、それは何国人ということとは関係なく、
人間社会にあることです。
日本人同志の間なく、気心が知れているとか、
あるいは、よく気をつけているからと言うこともありますが、
それが異国間のことになると、自分の手ぬかりから起ったことでも
つい相手のせいにしてしまいがちです。
日本人が中国ビジネスにかかわる場合は大抵、
お金を出すこととかかわりがあります。
慎重に身構えて充分に気をつけなければならないことです。
ところが、そういう重要な決断をする時に、
日本人は外国語が苦手ということもありますが、
日本語のわかる人をたよりにして、
ついその人のことを信用してかかってしまいます。
私について中国に行った人の中にも
旅行中、通訳をしてくれたガイドさんにビジネスの相談に乗ってもらい、
そのアドバイスによって大切なお金をその人あてに
送り込んだ人があります。
送金する前は何でもOKだったのが
いざ実行ということになるとあれも駄目、
これも駄目ということになってしまいます。
中国のビジネスには多くの制限があり、
また国際的なビジネスの常識を心得ていない中国人も多いのですから
(それは日本人についても言えることですが)
そのことを予め知っておく必要があります。
「違いのわかる男」というコマーシャルがありますが、
グローバルな商売にかわろうと思えば、
何よりも先ず「お互いにどう違うか」を
研究することからスタートすべきです。
お互いに違うことがわかれば、
先ず自分が言っていることが相手に正確に通じているか、
また相手の言っていることの本当の意味は何だろうかと
考えなおすことになるでしょう。
そこから出発すれば、怪我は少くてすむでしょう。
中国人とどうつきあったらよいかについては
たくさんの本が出版されています。
それらの本を読んで見るのもいいと思います。
私にも
「騙してもまだまだ騙せる日本人」(光文社・知恵の森文庫版)
があります。
また現代小説宝石に毎月
「これであなたも中国通」
を連載しています。少しは参考になると思います。
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