■ QさんからのA(答え)
劉備徳輝さんへ
誰でもサラリーマンをやっておれば、
独立自営をしたいと考えるでしょう。
そのためにお金を貯めたり、有望な仕事はないかと
色々思いをめぐらします。
でもいざとなると腰けくだけになってしまいます。
実際に独立自営して成功した人を見ていると、
準備が完全に整ってからスタートする人は先ずおりません。
資金も充分じゃないし、スタッフも揃っていないし、
ないないづくしからはじまっています。
準備万全整ってから戦争をはじめる人がいないように、
或る日、突然、戦争になって走りながら武器の整備をしたり、
ゲートルを捲きながら走るのが当たり前なのです。
ですから、思い切りのよさには敬服しますが、
扱う商品に問題があるように思います。
いまのように過剰生産が慢性化して安売りをしても
見向きもされないような時代は、
自分で物を売り歩くのもたいへんですが、
デパートなどに売り込みに行っても、
よほど魅力のある商品でない限り、相手にもされないでしょう。
とりわけ安値での競争は駄目で、
ディスカウント・ストアが片っ端から倒産しているように、
デフレの時代には安売りはセールス・ポイントにはなりません。
一番大切なことは
安くなくてもお客がとびついてくれるかどうかです。
どうやってそれを見分けるかというと、
こちらから売り込みに行かなくとも、
向こうから買いにきてくれるかどうかです。
いくら魅力的な商品でも
商品の存在を知ってもらなければなりませんからPRの必要はあります。
しかし、その存在を知ってもらっても
向こうから買いに来てくれるものでなければ、
新規事業としては不適格です。
例としてあげておられる商品ていどの物では多分、
事、志と違う結果になると思います。
ではそんな魅力のある商品があるでしょうかときかれたら、
「滅多にないでしょう」と答えるよりほかないでしょう。
ですから、鵜の目、鷹の目でそういう商品を探がして下さい。
それが見つからないと、折角、資金として貯められたお金は
あっという間に使い果してしまうことになります。
ですから、仕事をはじめる前にもう一度、扱う商品を目の前において
「この商品は自分で売り込みに行かなくても、
お客の方から買いに来てくれるだろうか」
と考えてみることです。
イエスと出れば、やってもよいし、
自分でも首をかしげるようでしたら、やめた方がいいでしょう。
こんな難しい時代なんですから。
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