第56回
精気神の養生準則
これまで中国の伝統的な健康法として
健康を守り、健康作りを行うことが養生であり、
養生とは精気神を養うことであることをお話してきました。
おそらく皆さんは、
どうしたら精気神を養うことができるのかと
疑問をお持ちでしょう。
そこで今回はまず、
精気神の養生準則を紹介しようと思います。
精は生命の基礎物質、
気は生命活動の原動力、
神は生命活動の主宰であることは
既にお話しましたが、
もしこの精気神三者のどれかが少なくなると、
お互いに影響し合って
生命の健康状態は成り立たなくなってしまいます。
従って「精足気充神旺」とは
中国の伝統的な健康状態を示す基準であり、
長寿となり得る生命状態のことです。
精気神が少なくなる原因は
大体二つに大別して考えられます。
ひとつは消耗より産生が足りないこと。
もうひとつは産生より消耗が多すぎることです。
精が不足する場合は、
親からもらった元精と
飲食から摂取した水穀の精が足りないことと、
元精の消耗(性活動)が多すぎるために
精が少なくなることの二つが原因と、
よく考えられます。
気が不足する場合は、
親からもらった元気と
飲食から摂取した水穀の精気が足りないことが原因と、
よく考えられます。
神が不足する場合は、
精気の不足よりも神の形成が足りないことと、
神の消耗が多すぎること
(例え思慮過多や精神不安など)により
神の旺盛が妨げられることが原因と、
よく考えられます。
精気神三者が少なくなる原因の中でも、
とくに精と神の消耗が多すぎることと
気の化生が不足することは
健康長寿を妨げる主な原因とされています。
古典医書の
『黄帝内経・素問・上古天真論篇』の中に記載されている
“恬淡虚無、真気從之、精神内守、病安從来”という理論は、
「欲念、情緒をほどほどにすれば元気を従い、
精と神は内に守られ、
無駄に消耗しなければ病気になりにくくなる」
と精気神の養生準則を述べています。
中国語ではこれを「固精積気全神」といいます。
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