東洋証券・深堀マネージャーが
中国企業と株についてわかりやすく解説します

第81回
「虎視耽々」

昨年、特に11月から今年1月までのH株の急騰に対して、
目先は当然の調整局面だと判断し、
押し目買いをお勧めしておりました。
調整はあくまで目先のスピード調整か、
もみ合いだとも判断していました。
しかし、先週末から相場の動きが(特にH株)変化しています。

【外人買い】

調整局面のなか、
外資系大手証券が相次いで割安感のでた
H株買い増しの動きがあることが原因のようです。
ちなみに、JPモルガン・チェースが
ここ1週間余りの間に買い増した銘柄をご紹介します。

(持株比率の変動)
シノペック (0386) 4.99%から5.09%
江蘇高速公路 (0177) 5.95%から6.02%
安徽セメント (0914) 4.28%から6.08%
東方航空 (0670) 9.91%から10.06%
北京大唐発電 (0991) 8.59%から9.33%
広東科龍 (0921) 10.07%から11.23%
中国航空科技 (2357) 2.91%から5.29%
魏橋紡織 (2698) 6.38%から8.97%
中海油田服務 (2883) 14.84%から15.31%
(上記は香港証券取引所の資料によるものと
「香港経済日報」が報じたものです。)

また同紙の投資コラムは、
「外資系証券会社が買い増している銘柄の中では、
 中国航空科技(2357)の魅力が大きい」との見方です。
(第69回のコラム参照)

国内乗用車市場の急成長が理由で、
昨年10月に上場した同社は
軽自動車と低価格セダンの生産を手がけ、
国内軽乗用車市場では41%のシェアをもっています。
同社の目論見書によると、
03年12月期の予想EPSは
0.098人民元を下回らない範囲。
この数字をあてはめた場合、
03年予想PERは16倍となる。

また、中銀グループのリポートによれば、
04年の予想EPSは0.13人民元で、
同年予想PERは僅か12倍。
同紙は
「香港に上場する中資系自動車銘柄の中では最も割安感が強く、
 世界の同業メーカーの平均15倍を大きく下回る」
と論じています。

先月、本社で開催した中国株講演会で
シノトランス(598)や江蘇高速(177)等を
参考銘柄でお奨めさせていただきました。
出遅れ銘柄としては
上記の中国航空科技もご紹介させて頂きました。
個人的には、ブリリアンス・チャイナ(1114)を
1ドル台からずーと追っかけてきて、
今喜んでいただいている方が多数いらっしゃいます。
(特にこの銘柄はいろんな事件等がありましたが・・・)
私には自動車関連銘柄で株価1ドル台というだけで、
同社と二重写しになっている部分があるのでしょうか。

いずれにしても、
相場がダイナミック(動態的)に紆余曲折を経ながら、
長期トレンドでは右肩上がりを演じるのであれば、
やはり押し目は買いなのでしょう。
相場感で青い目の外人や黒い目の外人に
負けないようにしたいと、いつも思っています。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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