東洋証券・深堀マネージャーが
中国企業と株についてわかりやすく解説します

第80回
「復地(集団)」(2337)本日新規上場(香港H株)

【上海の不動産会社が香港市場へ上場】

同社は売上げ規模で上海4位(02年実績)の不動産会社です。
復星集団
(復旦大学出身者数名の共同経営による大手市営企業で、
 02年の売上高ランキングでは中国私営企業部門6位。
 03年の売上高は約270億元。)
の不動産部門が前身です。

同社は住宅物件の開発・販売が主力で、
業務運営は物件ごとに設けられた
開発・管理子会社を通じて行っています。
04年12月期は40〜50%の配当性向を予定しています。
また、新規物件の開発については、
15%以上の内部収益率を社内のハードル・レートとしています。

【連結業績の推移】(単位 :百万元)

決算期 売上高 純利益 1株利益
01年12期 658.13 51.21 0.035
02年12期 2,095.69 341.24 0.231
03年12期予 N/A 440.00 0.210
(国際会計基準、03年12月期は会社側予測)

03年1〜10月期の連結業績は、
新規物件の減少で売上高が
前年通期の約77%に止まっていますが、
一方で不動産価格の上昇などにより、
純利益は前年通期の91%に相当する
3.1億元になっています。

主要株主は上海復星高科技(集団)など、
復星グループ会社の持株比率が約69%で約30%が流通株です。
上海B株市場に上場している「上海交通」も0.35%の株主です。


【公開要領】

市場 : 香港メインボード(香港H株)
銘柄コード : 2337
上場日 : 04年2月6日
額面 : 0.2元
売買単位 : 1.80香港ドル
主幹事 : 11.3倍(期中平均株数によるEPSで計算)
公募価格 : 12.9〜14.5倍
 (上場後発行済株数による EPSで算出)
03年予想PER : 10,732,000千株(上場時)
発行済株式数 : 2,122,040千株(上場時)
公募株式数 :638,271千株
(うち、63,828千株が 香港での一般公募)

【私の見方】

同社の声明によると今回のIPOについて、
香港の一般投資家向けの応募倍率が
約481倍に達したと発表しています。

当初は、上記の公開要領で募集株数
約6億3,827万株のうち10%を一般投資家向けに、
90%を国際投資家に割り当てる予定でした。
しかし、一般投資家の応募倍率が100倍を超えたため、
比率を調整し、一般投資家と国際投資家に
各々50%の3億1,913万株が割り当てられるようになった模様です。

高人気の背景には、
上海が中国経済の中心地であり、
不動産開発投資の拡大テンポが速いことや、
一人当たりGDPが全国平均の約5倍で
住宅価格は引き続き上昇傾向にあることを予想した投資家の
同社に対する期待感があると思います。

現在、香港メインボードの市場PERは19.4倍、
H株の平均PERは18.7倍です。
同業でH株に上場している
「北京北辰」(588)のPERは22.6倍、
レッドチップの「華潤ランド」(1109)が28.1倍、
同じく深B株の「万科」(2)のPERは11.4倍です。

同社の人気は別として、
PER15倍程度だと株価は約3香港ドル程度になります。
上場後の株価推移は解りませんが、
3香港ドル以下なら妙味ありと思います。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

←前回記事へ 2004年2月6日(金) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ