東洋証券・深堀マネージャーが
中国企業と株についてわかりやすく解説します

第69回
明日、香港H株に新規上場
「中国航空科技工業」(市場コード2357)

【会社の沿革と事業概要】

中国の航空宇宙産業は93年まで、
航空宇宙工業部(中央省庁)による一元管理がなされていました。
93年6月には航空宇宙工業部が廃止され、
行政機能を併せ持つ中国航空工業総公司が設立されました。
99年7月に行政機能は他の関係省庁に移管され、
事業部門は中航第一集団公司(大・中型機の開発製造)と、
中航第二集団公司(ヘリコプター、訓練機、小型機、自動車製造)の
二社に再編されました。
今回、中航第二集団公司の
民間航空機部門と自動車(完成車)部門を
スピンオフして同社(中国航空科技工業)を設立しました。

<中国軽自動車業界トップ>

したがって同社の事業主体は自動車、
民間航空機の製造販売が主力です。
自動車部門の主体は、軽自動車・エコノミーカーを手掛ける2社
(ハルビン航空機汽車と上海A株上場の江西昌河汽車)。
連結ベースの自動車販売台数は32万台(02年実績)、
中国軽自動車業界では首位、
中国自動車業界全体では4位の規模です。
航空機事業では、航空宇宙世界2位のEADS社(蘭)と
提携しており、官公需が中心の航空部門は
ヘリコプター、訓練機、航空機部品及びその他汎用機が主力です。

同社子会社の中で4社が上海A株市場に上場しています。
ちなみに、江西昌河汽車の連結子会社である
「江西昌河鈴木汽車」(スズキの出資比率は39%)は、
重慶長安鈴木汽車(深センB株、重慶長安汽車の子会社)と並んで、
スズキの中国における四輪車生産拠点の一つです。

【公開要領】

市 場 : 香港H株(コード2357)
上 場 日 : 03年10月30日
公募価格 : 1.21香港ドル
03年予想PER : 9.6倍
配当政策 : 05年までの3年間、配当性向30〜40%を予定
発行済株数 : 4,570,888千株(上場時)
公募株式数 : 1,599,810千株(うち香港での一般公募が1億5,998万株)
売買単位 : 4,000株
大 株 主 : 中航第二集団公司(62.18%上場時)
主 幹 事 : INGベアリング、中銀国際(BOCI)

昨日、公募価格が決定しました。
公募価格のレンジは0.95〜1.21香港ドルでしたが
上限の1.21香港ドルで決定しました。
これは香港市場を取り巻く(特に中国株人気)市場環境の良さと、
同社への人気、期待感が高く機関投資家人気も
手伝っていると思われます。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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