東洋証券・深堀マネージャーが
中国企業と株についてわかりやすく解説します

第66回
「中国関連銘柄」

日本の株式市場では日立建機やコマツなどが
「中国関連株」として囃され、
中国進出の日系企業がひとつのテーマとなっています。

中国へ「出稼ぎ隊」を送り込み、
日本で伸び悩んでいる部分をカバーする。
それが今やカバーどころか
本体の収益の3割近くを稼ぎ出すようになれば
当然その企業の株は高くなります。
建設機械の日立建機やホンダに限らず、
素材や通信インフラ、鉄道・車輌など
中国関連銘柄の裾野は広がっています。

さて、邱先生は香港企業の中国関連銘柄をご紹介されています。
香港といえば金融・不動産・貿易等の
コングロマリット企業に代表されますが、
早くから中国に進出し
圧倒的な資金力やノウハウで力を発揮してきたのが
不動産開発分野です。

すでに邱先生がご紹介されていますが下記の銘柄です。
・新世界中国(ニューワールド・チャイナ・ランド)
 市場コード 0917

・恆基中国(ヘンダーソン・チャイナ)
 市場コード 0246

・湯臣集団(トムソン・グループ)
 市場コード 0258

・天安中国投資(テンアン・チャイナ)
 市場コード 0028

【(天安中国投資)は割り切った投資が必要】

同社は中国不動産開発の老舗で、
大手デベロッパーの新鴻基地産
(サン・フン・カイ・プロパティーズ)の
中国不動産開発部門です。
親会社の新鴻基地産(0016)は
ハンセン構成銘柄になっています。
また、同社は香港上場銘柄の
「上海聯合セメント」(1060)の親会社でもあります。
同社の主力物件は、
上海旧市街一等地の新昌路にある「上海天安センター」や
同じく上海浦東新区にある「天安ガーデン」をはじめ、
北京、大連、南京、深、長春など中国の主要都市にあります。

同社の香港上場は87年です。
直近5年間(98〜02年)の業績推移を見てみますと、
各年の増減があって一概には言えませんが、
98年の売上げが5億6,600万香港ドル、
02年は10億8,000万香港ドル、
純利益は98年が5,000万香港ドル、
02年は9,700万香港ドルとなっています。
概ねこの5年間で売上げ・純利益ともに倍増となっています。

【期待感とリスク】

同社の業績は別として、
同社は長期にわたる株価低迷を理由に経営陣が、
1株に付き0.15香港ドルと
現金配当0.03香港ドルを条件に
最大11億株(12.96%)の株式買い戻しを
提案していました。

親会社のサン・フン・カイは
天安中国の株式を43.27%保有しており、
もし上記提案を実行した場合、
持株比率は50%以上になるため
天安中国は上場廃止になる懸念がありました。

しかし、同社に電話で確認したところ
既に8月21日、同条件で実施したとのことでした。
ただ、買い戻し株数は大幅に減らして実施した模様。
現在の持株比率は47%ということでしたので、
当面の上場廃止はないと思われます。
同社の株価は0.156香港ドル(10/2)、
EPS(一株当たり利益)は0.01香港ドルですので
PER(株価収益率)は15.6倍です。

親会社の買戻し価格とまだ同じ水準で推移していますが、
同社の株価は日本円で一株2円そこそこです。
10万株を約22万円で購入できます。
以前、ハイアールCCTをご紹介した時に
12セントだった株価が今は30セントになりました。
低位株としてよく似た部分があり妙味もありますが、
邱先生が言われるギョウザ株としてのリスクも
割り切った上でのご投資が必要だと思います。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

←前回記事へ 2003年10月3日(金) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ