東洋証券・深堀マネージャーが
中国企業と株についてわかりやすく解説します

第65回
中国唯一の上場建設会社
「宝業集団(バオイエ)」香港H株(2355)

同社は上場(6月30日)後、
僅か2ヵ月足らずで株価が2倍になりました。
しかし、まだまだ期待度は大なるものがあります。

何故なら昨日の株価2.625香港ドルは
PERで僅か10倍そこそこです。
同社の公募価格は1.43香港ドルでしたが、
実績PERは5.6倍という
極めて低PERの売出しだったからです。

国家統計局が発表した
「中国大型建築企業2001」において、
同社は中国建築会社トップ500社のうち
8位にランクされています。
ただし、上位7社はすべて国有企業のため上場していません。
同社の主力事業は建設業、
建築資材の製造・販売・研究・開発、それと不動産開発です。

同社は2000〜2002年の間、
145件のビル建築(オフィスビル、ホテル、学校など)、
137件の住宅開発、41件の工業施設、
46件のインフラ・プロジェクトと
計369件のプロジェクトを完成させています。
建築業は、主に同社の99%出資子会社「浙江宝業建設集団」が、
浙江省(紹興市、杭州市、温州市、寧波市など8市)、
上海市、湖北省(武漢市)など
10ヶ所に事務所を置いて事業展開しています。
建設資材ではコンクリート・パイル、家根ふき材料、
耐火材などの製造販売をしています。

不動産開発では、主に同社グループが本拠を置く浙江省紹興市で
プロジェクトを完成しています。
昨年3月以降は上海市や安微省の合肥市などにも
進出を果たしています。
95年に不動産事業を開始して以来、
これまでに10件の不動産開発プロジェクトを完成し、
開発済み総床面積は313,000mに達しています。

02年の売上高約23億元に占める比率は、
建設業が82.5%、不動産開発が10.9%、
建設資材が6.5%、また粗利益率は不動産開発が28.9%、
建設資材が28.1%、建設業が7.8%となっています。
中国のマイカー時代到来で自動車株が買われています。
マイホーム時代も到来していますが、
株式市場では、まだマイホーム関連銘柄などと騒がれて
テーマになったことはありません。

中国の建設会社等が上場していなかったので止む得ないことです。
しかし今後はマイホームも
市場の大きなテーマになってくると思います。
先陣を切ってH株に上場した建設会社、
同社の会長兼社長はまだ若干45歳と聞いています。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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