東洋証券・深堀マネージャーが
中国企業と株についてわかりやすく解説します

第54回
H株指数が新値更新

一昨日はH株指数が
69.6ポイントの大幅上昇を演じました。
2325.3ポイントとなり
一気に年初来高値を更新しました。

[いつも出遅れる日本の機関投資家]

先にも述べましたが、
「イラク攻撃よりも恐いSARSショック」で、
イラク攻撃の時は約1ヶ月間、
H株指数は上昇していました。
しかしSARSショックでは
1月2日の安値2007ポイントに迫る下落となりました。
イースター祭休場明け後に売りが殺到し
4月24日が大底になりました。
前々回号でSARSが落ち着く頃には時すでに遅し、
と述べさせて頂きましたが、
徐々にその様相を呈してきました。

昨日のH株の全面高で感じることは、
海外機関投資家の見事なお手並みです。
上昇の原動力になったのは、
紛れも無く海外機関投資家の買い手口です。
早くからウォーレン・バフェット氏(米国の著名投資家)などは、
総額10億香港ドルを投じて
H株の中国石油の株式(13.3%)を取得しています。

特筆すべきは、投資した時期が先月の4月9日から
一番底値を付けた(H株指数)24日の期間に
取引されたということです。
これはSARS不安が一段と高まっていた時です。

昨日のH株の急騰はSARS拡大が鈍化傾向にあることや、
SARSによる経済への打撃を
過剰に悲観し過ぎていること、
また中国経済の単月GDPの伸びや
輸出入額が堅調に推移していることなどが
買い材料になっています。
また、ドル安によって海外機関投資家にとっては
為替による香港株の割安感があることなどが上げられます。

過去、香港市場でも中国でも
大きな節目があった時を振り返ってみると
いつも欧米系機関投資家が先行して
日本勢は後から追いていく、
という格好になっているように思われます。
反応が遅いのか慎重なのか分かりませんが、
いつも悔しい思いです。

SARSによる経済上の実害は
まだ不透明で楽観視はできませんが、
実害が少なく増収増益銘柄は仕込んでおきたいと
繰り返しお伝えしたいと思います。

参考までに先週、JPモルガンが買い増ししたH株のなかで、
すでに10%以上の保有となった銘柄をご紹介します。
・北京大唐発電(991)12.1%
・中海発展(1138)12.02%
・ブリリアンス(華晨汽車1114)11.3%
・ヤン州煤業(1171)11.29%
・南方航空(1055)10.17%

昨日のH株指数は70ポイント以上
上昇しています。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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