東洋証券・深堀マネージャーが
中国企業と株についてわかりやすく解説します

第29回
「 超大現代農業」の快
(国家級農業龍頭企業)に選出される

香港市場に上場している「超大現代農業」(市場コード0682)については当コラムの第16回をご参照下さい。

同社はアグリビジネス(有機栽培農業)を幅広く展開しています。
もともとは郷鎮企業でした。郷鎮企業というのは村おこしから始った企業のようなものです。先進的な農産物栽培や農産物の無農薬開発などで、成長めざましい企業として注目されており、P株の代表的な企業となっていました。P株と呼ぶのはプライベート・カンパニーの頭文字のPを採ったものです。
上場中国株の多くは株主構成が国家株や法人株で50%以上を占めていますが、同社は個人株主が大半を占めています。

さて、同社の本決算は6月です。昨年の10月、本決算発表を巡って同社の監査法人プライス・ウォーター・ハウス・クーパーズ(PWC)と法人税などに絡む見解の相違でトラブルが生じました。やむなく同社は、PWCをはずした格好で他の監査法人を通じて決算発表を行いました。しかしその間、同社株が売買停止されたこと等もあり、投資家は同社に対する「会計不信疑惑」を抱きました。同時期に「欧亜農業」の粉飾会計や、遡ればエンロンやアンダーセン問題も同社の不信を増す環境にあったのだと思われます。

株価は売買再開(10月30日)後に半値(1.10香港ドル)近くまで暴落しました。その後の株価も鳴かず飛ばずの横ばい状態で推移していました。年初より1.30香港ドル前後でしたが、この直近4日間は株価が上昇しています。
昨日(15日)は17セント(香港ドル)高の1.69香港ドルで、高値は1.70香港ドルまでありました。

同社にとって明るいニュースが15日付け香港「財華網」で報じられています。このたび中央農村工作会議の期間中、国家農業部、国家計画委員会、財政部、対外貿易経済合作部、国家税務総局など九つの組織で構成された特別委員会から、同社が「国家級龍頭企業(トップ企業)に選出された。とのことです。農業のリーディングカンパニーの栄誉を獲得したわけです。同社によると、税制上の優遇処置が受けられる代表企業に選出されたことで、前年度に準備していた法人税充当金の支払いが免除される可能性が出てきたといいます。なお、同社はプライス・ウォーター・ハウス・クーパーズ監査法人とも和解し、再契約を結んだ様子。

上記の朗報を併せて、中間決算(4月発表予定)で好決算を発表するようだと、少なくとも「会計不信疑惑」は払拭される可能性が出てきたのではないでしょうか。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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