第17回
A株投資解禁。
「QFII」12月より施行。
中国証券監督管理委員会(CSRC)は、
海外特定機関投資家によるA株投資「QFII」を、
来月(12月1日)より施行することを発表しました。
(QFIIについては私のコラム第5回を参照して下さい。)
これはCSRCの審査に合格した海外の機関投資家に対して、
これまで国内人(中国)しか投資(売買)出来なかったA株投資を、
条件付きで解禁するというものです。
特定海外機関投資家とは、証券会社、資産管理会社(投信会社等)、
保険会社、商業銀行などのことです。
ただし海外機関投資家は、当局にその資格を得るための
申請が認可されなければA株投資はできません。
今回は、その資格取得には
次のような条件がそれぞれ必要とされています。
「証券会社」に対して
30年以上の証券業務経験を有し、資本金が10億米ドルを下回らず、
直近会計年度の管理資産(証券資産)が100億米ドルを下回らないもの。
「資産管理会社」(投信会社等)に対して
5年以上の運用経験を有し、
直近会計年度の運用資産が100億米ドルを下回らないもの。
「保険会社」に対して
30年以上の保険業務経験を有し、資本金が10億米ドルを下回らず、
直近会計年度の管理資産(証券資産)が100億米ドルを下回らないもの。
「商業銀行」に対して
直近会計年度の総資産が世界100位以内で、
直近会計年度の管理資産(証券資産)が100億米ドルを下回らないもの。
上記の条件をクリアーしていなければ、
特定機関投資家としての資格を得ることはできません。
尚、A株投資にあたっては、
通常の売買とクローズ型投信運用方式の2種類に分けられますが、
その資金の回収についても次ぎのような条件が付いています。
「通常の売買」の場合
投資資金の払い込みから、
満1年が経過した後でなければならない。
また、1回あたりの持ち出し額は投資元本の20%を超えない範囲で、
申請は3ヶ月の間隔をとること。
「クローズ型投信運用方式」の場合
投資資金の払い込みから満3年が経過した後に認められる。
また、1回あたりの持ち出し額は投資元本の20%を超えない範囲で、
申請は1ヶ月の間隔をとること。
と、なっています。
次は「QDII」に期待
いろいろ厳しい条件付きとはいえ、
とにかくも海外投資家へのA株開放の記念すべき第一歩ではないでしょうか。
党大会における第四世代の新体制人事と
歩調を合わせた証券市場開放の一策といえます。
前にもお伝えしましたが、「QFII」が認可されるということは
「QDII」の認可も一歩早まることになるのではないかと思っています。
今後の中国証券市場の整備と、一段の開放政策に期待したいと思います。
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