| 第18回H株のニューフェイス紹介
 今月は久しぶりにH株が2社も新規上場をしました。 ■「中国電信」(チャイナ・テレコム)香港市場コード0728 最近H株に上場を果たした銘柄の中で、日本でも注目を浴びたのは、「中国のNTT」とも称されている
 「チャイナ・テレコム」(中国電信)です。
 旧国営企業で中国ネット・コム
 (又は中国網通、北京を中心として事業展開しています)と
 中国の固定電話マーケットを2分し、中国で最も裕福な上海市や
 セッコウ省、広東省などを中心に事業展開をしています。
 既に中国は日本を上回る携帯大国であることはいうまでもありませんが、
 今回は固定電話大手のチャイナテレコムをご紹介したいと思います。
 日本やG7の国々の固定電話普及率はほぼ60%前後となりますが、中国全土は未だに15%未満で、
 一番裕福な上海市でも25%未満という状況です。
 「それは携帯が普及しているからだろう」と思われるかもしれませんが、
 それはあくまでも個人ユーザーにしか過ぎないと思います。
 企業法人ともなると、いくら通信設備が進歩していても、
 採算に合わなければ採用することはないはずです。
 そういう意味では、固定電話市場は
 まだまだ拡大成長する余地が十分あると思います。
 中国株の魅力の一つは、配当が高いことです。それはチャイナテレコムにも当てはまります。
 少なくとも今年と来年の配当は約4%を支払うと計画しており、
 数字で表すと0.065HKドル(約1円ですが)が支払われる予定です。
 日本株の平均配当が1.39%の現在では、結構魅力があると思います。
 もちろんリスクはあります。
 携帯電話との競争激化や、
 親会社から他地域の同業企業の買収を命じられたり、
 WTO加盟で今後外国企業との競争が始まったり等が考えられます。
 同社は携帯電話については、来年にも政府に免許を申請する意向であると伝えています。
 また、規制によって外国業者は多くても49%しか株を持てませんので、
 同社にとってはライバルどころか強力なパートナーが現れると思われます。
 さらに、今回はニューヨークと香港市場に同時上場を果たしたため、
 資金調達はもちろん、ネームバリューの確立と
 世界舞台で競争する体力が鍛えられると見られています。
 上場に当たっても、上場日程を延期したり、
 発行株数は当初の168億株から
 45%の75万5千億株に大幅減株したりしました。
 最終的に上場したのは11月15日で、募集価格は1.48HKドル。
 上場初日の終値は1.45HKドルでしたが、
 上場してからの高値は1.51HKドルで安値は1.39HKドルです。
 現在のところ、株価パフォーマンスはあまり冴えません。この背景には上場延期が絡んできます。
 今年アジア最大級の新規公開という中国にとっては
 自信と威信をかけた上場でしたが、
 残念ながら世界の株式市場取り巻くセンチメントの悪化などが
 大きく影響しました。
 香港や日本での募集はまずまずでしたが、
 国際規模、特に米国での募集は思ったより芳しくなく、
 先にも述べた通り、上場延期と発行株数減少につながったのです。
 はっきり申し上げて、中国はまだ金融分野と同じく、通信分野も開放はしておりません。
 また今回の同社の公募価格は、
 国有企業から上場させる法律で定められた
 最低価格1.47HKドルに近い公募値となりました。
 本日(2002年11月26日)は1.42HKドル。
 中長期での投資対象としては、今がチャンスではないかと思います。
 未来の中国版NTTは今や23万円で1万株が購入できます。
 将来はハンセン構成銘柄にもなるでしょう。
 QDIIを先取りした銘柄としての妙味は大きいと思います。
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