東洋証券・深堀マネージャーが
中国企業と株についてわかりやすく解説します

第19回
H株のニューフェイス紹介−その2−

■「中海油田服務」(COSL)香港市場コード2883

[中国の油田・天然ガス開発会社]

11月20日香港H株市場に上場した同社は
中国の海洋石油・天然ガスの試掘・開発・輸送・地質調査を手掛けています。
また、中国沿海域の油田開発業者の中では最大規模を誇り、
大きな市場占有率を確保しています。
同社をチャイナ・オイル・フィールド・サービス(COSL)とも呼びます。
親会社の中国海洋石油(CNOOC)(香港市場コード0883)は
ハンセン 指数構成銘柄であり、
中海油田服務(COSL)の65%の株式 を所有してい ます。
中国海洋石油の原油と天然ガスの合計産出量は、
9540万バレルにまで達 し(前年比8.9%増)
今後も積極的に国内外市場を開拓し、
天然ガスでは中国国内市場の80%、
石油では世界市場の20%のシェアを有しています。
また、「中海油田服務」は
基本的に売上げの約50%を(CNOOC)に依存してお り、
残りは外資メジャーからとなっています。

[中国の石油業界]

中国の石油業界は、
1.中国石油天然ガス集団公司(内陸系石油会社大手)
2.中国石油化学工業集団公司(SINOPEC)(中国最大手の石油メーカー)
の2大グループがあり、
ここに沿海石油会社大手の中国海洋石油発展(CNOOC) が
中国沿海域の油田開発でほぼ独占状態にあります。

[注目集まる海洋油田開発]

国内需要が旺盛な中国では、
2000年には国内の原油供給不足が3000万ト ンとなり、
2010年には8000万トンが供給不足になると予想されています。
天然ガスの生産についても、
世界的な環境規制によりその需要は拡大傾向にあります。
一方、中国国内における供給はほぼ限界にきており、
中国海域での海洋油田に注目が集まっています。
現在の中国の高度成長が継続すると仮定しますと、
石油・天然ガスへの需要は
引き続き堅調に推移することが予想されます。
特に中国の現状(石油の純輸入国)を考えますと、
海洋油田に対する期待は益々高まることが予想されます。
その中で中海油田服務(COSL)は他社と比較して、
コスト並びに施設・設備の優位性から
競争力は非常に高いと考えられます。

[株価の推移]

上場日の終値は1.89香港ドル。
募集価格1.68香港ドルに対し12.5%上昇しました。
11月26日まで、高値1.92香港ドル、安値1.82香港ドルと、
まずまずのパフォーマンスです。
しかし、本日(2002年11月27日)は
ザラ場で1.76香港ドルの安値を付けて、終値は1.78香港ドルでした。
まだ上場間もない株価推移ですが、予想PERで同社は約22倍。
ちなみに同業他社の予想PERは20〜30倍程度です。

厳しい環境下での新規上場H株をご紹介させていただきましたが、
中長期投資でとらえるならば、上昇相場での新規上場よりも
後からの楽しみは大きいのではないでしょうか?

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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