東洋証券・深堀マネージャーが
中国企業と株についてわかりやすく解説します

第20回
新規上場銘柄の追跡

■BYDカンパニー・リミテッド(比亜迪股フン有限公司)
香港市場コード 1211

[中国トップの充電式電池会社]

同社は主に携帯電話、パソコン、電動玩具、電動工具などの製品を含んだ各種携帯式電子設備に応用される二次電池の研究・開発・製造及び販売に従事している会社です。

*二次電池とは*
放電したあとも、充電によってもとの状態に戻して繰り返し使用できる畜電池のことで、リチウムイオン電池、ニカド電池、ニッケル水素電池などがあります。

に拠点を持ち、コスト競争力を武器に創業わずか7年で世界トップ企業に浮上した同社は、今年7月31日に香港に上場しました。

[実績]
2001年の世界シェアは、リチウムイオン電池3位、ニッケルカドミウム電池2位、ニッケル水素電池3位。中国ではいずれもトップシェア。

充電式電池では中国ナンバー1、世界でもナンバー4に入るメーカーで、モトローラ、松下、エリクソン、京セラ、フリップス、TCL、東方通信といった内外の有力携帯電話メーカーや消費者家電メーカーが同社の顧客となっています。

IIT(Institute of Information Technology Limited)の資料と幹事筋の情報によると、充電式電池市場では、三洋が世界シェアの約40%、昨年の売上高15億米ドル超で世界1位、松下が15%のシェアで世界2位、ソニーが3位と続きますが、同社は労働集約型生産工程をとっているため、日本のライバルと比べコスト競争力があり、製品が約20〜30%安いといわれています。
また、日本のメーカーが完全自動式で100人の従業員であるのに対して、同社は約1万5千人の従業員を擁しています。

[充電式電池が使われる携帯電話市場の見通し]

昨年は製品の約半分を中国国内向けに、残りを香港、欧州、米国向けに供給し、純利益は69.4%増の約2億1千万元(1元15円として約31億5千万円)の純利益を計上していますが、今12月期は167%増の約5億6千万元(1元15円として約84億万円)以上となる見通しです。

同社の製品が使われている中国の携帯電話市場は、携帯電話の加入者数が1995年の約360万人から2001年には、1億4480万人に拡大し同期間の年平均伸び率が約85.1%にも達している。さらに、2002年6月末の時点で1億7600万人の携帯電話の加入者数は、情報産業省の予想によると、2005年までに、2億5000万人に拡大する見通しとなっており、同社の事業拡大の余地は十分あると見られています。

[株価の推移]

株価は先月から約14.5〜16香港ドルのレンジで推移してます。
12/10の終値は14.55香港ドル(予想PERは10倍程度)です。

上場後の値動きとしては以下の通りです。
募集価格は10.95香港ドル。
年初来安値は上場日(7/31)の11.1香港ドル
年初来高値は(9/23)の18.75香港ドル

ちなみに、同社株は市場全体が調整している中を逆行高した格好になりました。

  BYD ハンセン指数 H株指数 米ドル 香港ドル
(7/31) 11.1

10267.36

2046.50

120.10円 15.40円
(9/23)

18.75

9314.87

1908.21

123.70円 15.86円

(為替レートは東京三菱銀行10時発表の公示レートです。)

上場後の株価パフォーマンスが順調に推移している中国株の一例をご紹介させていただきました。
次回は、逆の例をご紹介させていただきます。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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