東洋証券・深堀マネージャーが
中国企業と株についてわかりやすく解説します

第21回
新規上場銘柄の追跡 その2

■「ワン・シン・インターナショナル」
(旺城国際集団公司) 香港市場コード 2389

[中国大手の電動工具製造販売会社]

同社は今年4月26日、香港市場に上場しました。
電動工具(ドリル・カッター・鋸・グラインダー等)の設計・製造・販売を手掛けています。
輸出量ベースで同社は中国大手の工具販売会社となっています。
同社製品の輸出比率は99年に85%でしたが、2001年には97%に上昇しています。
主な輸出先は欧州の機械工具流通大手のレオリー・メルリン、TIP、アーカンやホームセンター等に販売しています。

[世界の電動工具市場]

ワールド・パワー・ツールによりますと、世界の電動工具の需要は年率5%成長を予想しており、2005年には世界で250億米ドルの市場になると推測しています。
特に先進国においては、DIYショップを通じた伸びが著しく、米国においては94年から99年の間は5.7%、欧州では99年に8.3%の高い伸びを見せています。

[中国の電動工具市場]

中国全土に200を超える電動工具生産会社が存在し、99年には中国が世界で消費される電動工具の約40%を生産しました。
「電動工具2001年第4期」によりますと、2000年に850万個の電動工具が中国から世界100カ国以上に輸出され、これは99年の数字に比べ52%もの大幅増となっています。

[業績推移]

  売上高 経常利益 販売管理費 純利益 EPS
1999年 306,488

27,031

257,523

26,130 0.104
2000年

371,996

36,471

315,404

35,438 0.141
2001年 290,382 36,961 237,721 36,721 0.146

(単価1,000香港ドル、EPSは新株発行前のベース)

[株価の推移]

さて、同社の公開価格は0.95香港ドルでした。
同社にたいする人気は高く、上場一ヶ月後の5月28日には1.43香港ドルまで株価は上昇しました。
しかし、その後は調整色を強め、とうとう公募価格を割り込んでしまいました。
本日(12月12日)は、ザラ場で上場来安値顔合わせの0.77香港ドルをつけ、0.800香港ドルで終わりました。

中国国内の電動工具市場の伸びは今後も期待できると思われます。
しかし、海外での需要は景気や消費動向に大きく左右されるため、現在はやや海外需要の鈍化が懸念されているのではないでしょうか。

新規上場銘柄の、現時点での株価パフォーマンスが大きく異なった銘柄2社をご紹介させていただきました。
両者の今後の株価動向を個人的には大いに興味を抱いていますが、さてどうなるかは分かりません。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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