| 第491回発展途上市場の中国株だから年間40%上昇も可能
 1年以上前から、私はH株指数が6000ポイントはもちろん、
 7000ポイントになっても
 何もおかしいことはないと指摘してきました。
 これは私だけの考え方ではなく、
 日本のアナリストの方とも話してみると、
 時々一致する見解がありました。
 しかし、残念ながら05年までにH株指数が
 6000ポイントに達するような状況にはなっていません。
 まだまだ遠い壁のようです。
 私がH株指数が6000−7000ポイントになっても
 おかしいことはないと指摘した時と比べて、
 状況はだいぶ変わってきています。
 例えば、05年後半から特に顕著になってきた
 全体としての企業業績の悪化
 (特に今まで優良企業と思われていた企業が
 苦戦するようなケースも出てきています)は
 大きな懸念材料です。
 これ次第では、06年以降
 どうなるか分からないというほどの
 内在的なリスクを構成しています。
 ただし、これも、
 今後の飛躍のための生みの苦しみと思えば、
 将来性としてはより高まるわけですので、
 その内容を見極めることが大切になってきます。
 以上も考え合わせれば、前回までにお話したように、
 「2006−2007年にかけて大相場になる可能性があり、
 06年通年でH株指数が
 40−100%ほど上昇してもおかしくはない」ですし、
 さらに言えば、
 今回のサイクルにおける大相場
 (北京五輪の期待分による、
 2008年開幕前後における調整まで)でも
 累計で考えれば、03年時と同様の伸び率、
 つまり指数ベースで150%増はもちろん、
 それ以上伸びる可能性があると思います。
 そうした中で、06年1年間の伸び率を
 40−100%とかなり幅を持たせたのには
 それなりの理由もあります。
 40%という数字は、
 05年に日経平均が
 1年間で伸びた程度の規模となります。
 05年は日本において空前ともいえる株高で
 明らかにそれは景気回復を裏付けるものですし、
 株高そのものが景気回復を加速したともいえるでしょう。
 日本のような成熟、というか熟成市場において、
 年間で40%値を上げるのは確かに大変なことですが、
 一方で、中国株のような発展途上市場においては、
 この40%という数字は
 03年の例を挙げるまでもなく、
 特に難しいものとは考えられません。
 確かに、今後中国でも市場が成熟していくにしたがって、
 年間で三桁を大きく越えるような
 大相場が創出されるのは、
 かなりの条件が整わなければ
 ならなくなってくるとは思いますが、
 それでも、そうなるのにはまだ間があると考えます。
 2020年になるかもしれませんし、
 2030年になるかもしれません。
 それほど、中国のキャパは
 計り知れないものがあるのも間違いありません。
 ただし、逆に言えば、まだまだ未熟な市場なだけに
 予測を立てるにしても、
 ある程度の幅を持って
 見なければならないということであります。
 つまり、40%はもちろん可能だが、
 それ以上となる可能性も全くないわけではなく、
 Maxとしては三桁もみえてくるのではないか、
 というのが、
 「06年通年でH株指数が
 40−100%ほど上昇してもおかしくはない」
 ということにつながってきます。
 以上で、今回一連の06年及びそれ以降の相場についての私の見方を終了します。
 今までご説明してきたとおり、
 予想や予測の結果だけ鵜呑みにせずに、
 それを考える筋道に着目してもらえれば
 (もちろん今回私が示した筋道が
 間違っている可能性も含めて)、
 これに勝る喜びはありません。
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