第318回
H株は蘇るか? 悪材料を吐き出す我慢の時
H株は今後どうなるのでしょう?
前回に引き続き、
H株指数に影響を与えている可能性のある
最新事情を見ていきます。
2004年10月に
9年ぶりとなる利上げが行われましたが、
再度の利上げの噂は後を絶ちません。
不動産関連では、バブルの傾向があるとして、
金融引き締めがかなり急ピッチで進められています。
それが、不動産ばかりでなく、
中国全体の景気に与える影響が
懸念されているのかもしれません。
また、ここに来て、
欧米の機関投資家による持ち株
H株銘柄の放出の話題が目立ちます。
メジャー銘柄ではなく、
数量もそれほど多くないので、
放出が相次いだ当初は
それほどの影響はなかったかもしれませんが、
現在、それが徐々に顕在化していることも考えられます。
H株の決算が出揃って一息ついている、
という可能性もあります。
決算が予想を上回るほどのものではなかったこと、
また、一部の銘柄、有力銘柄の中にも
すでに業績が頭打ちではないか、
とも考えられるようなものがあると、
メディアで伝えられたことも
嫌気が差されたのかもしれません。
一部業界では、
投資過熱の悪影響も懸念されます。
一貫して好調だったセメント業界が、
業界全体として、
損失を出し始めているとも言われています。
セメントは典型的な投資過熱業界として、
引き締めの対象にもなっていますが、
盲目的な投資行為が、
業績悪化に拍車をかけるケースが、
今後目立ってくる可能性は、
セメント業界に限らず、
ほかの業界でも考えられることです。
こう見てくると、
人民元切り上げのような
いい話題でも材料視されず、
そのほかはあまりいい材料がないことに気づきます。
逆にいえば、楽観的な見方かもしれませんが、
現在は我慢の時、
悪材料や膿を全部吐き出しているときかもしれません。
私自身は、不確定の要素が
突発的に出てこないという前提で、
今年後半から終わりにかけて、
H株が5000ポイントはもちろん、
6000−7000ポイントをうかがっても
何らおかしくないと考えています。
確かに考えてみれば、
今回と前回に挙げたように
不安要素はないことはないのですが、
それらは何か一つの取っ掛かりで
いずれも覆すことのできるものですし、
中長期的な視点に立てば、
トレンド的には不変だと考えています。
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