| 第477回政策のゆるみが投資増加速につながっているか?
 2005年1−11月の固定資産投資が前年同期比27.8%増となる
 6兆3260億元となったことが発表されました。
 11月の1カ月で8000億円増えたことになります。
 1−10月では前年同期比27.6%増でしたから、
 投資の方面ではスピードが上がったことになります。
 投資の活性化は経済的には当然いい傾向ではありますが、
 再三言いますように、中国では
 投資は抑制しようという方向で動いています。
 何が何でも抑制するのがよいこととは思いませんが、
 ある程度抑えなければ、
 将来的な中国の経済成長に
 影響を及ぼすことになるのは間違いありません。
 1−9月では前年同期比26.1%増にとどまり、1−8月と比べて若干下がっていただけに、
 余計、投資方面のコントロールが
 効かなくなっているのではないかと
 思ってしまいます。
 前回ご紹介した銀行家の見方は、
 この「たが」が外れかかっていることを
 示すものでもあるといえます。
 さらに不安とさせるものとしては社会消費財小売総額、
 つまり消費分野が若干失速していることです。
 それぞれの増加率は前年同期(同月)比で、
 1−9月は実質12.1%、10月は12.8%、
 11月は12.4%となっています。
 月間の小売総額は
 現在6000億元弱で推移していますから、
 当市の8000億元と比べても差があります。
 さらに伸び率でも2倍以上の格差があります。
 つまり、投資と消費の格差は
 まったく解消されていないことを意味します。
 これでは今までと同じことです。
 今までは投資抑制ということだけに言及するにとどめていましたが、
 06年からはこのアンバランス解消を
 中国政府は明言しています。
 ただし、それでも投資の抑制は
 やはり現在の国策でもあり、急務です。
 マクロ経済のデータだけならともかく、
 前回ご紹介した銀行家も、
 「貸付需要はそれほどでもないが、
 貨幣政策は緩んできている」
 と考えていることは不安の種です。
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