| 第478回GDPの16%上方修正で改めて問われる中国統計
 国家統計局などは2年間にわたって調査・集計を行った
 「第1回全国経済普査(センサス)」の結果を
 発表しました。
 この調査結果を踏まえて、
 2005年12月20日、
 2004年のGDP(国内総生産)の修正結果を発表、
 GDP額は15兆9878億元とされました。
 「2005年中国統計年鑑」では、
 04年のGDPを13兆6875.9億元と発表していため、
 もともとのGDP額に2.3兆元追加され、
 当初発表の16.8%上方に
 修正されたことになります。
 日本円にして30兆円もの調整が行われたことになります。
 これは極めて異例です。
 経済センサスは、
 中国でも何度か行われたことはありますが、
 今回は製造業を中心とした第二次産業と
 サービス業を中心とした第三次産業が対象とされ、
 二つの種類にまたがるセンサスは初めてのため
 「第1回」と銘打たれているわけです。
 日本では概ね、今まで不透明だった中国のサービス産業の実態が明らかになったとして
 好意的にとらえ、
 またさらなる情報公開を
 進めるべきとの意見もみられましたが、
 通常で考えれば
 16.8%も変動する統計データしか
 発表できていなかったということでもあり、
 改めて中国の統計に対する信憑性が
 問われる問題だといえるでしょう。
 中国の統計データに関しては、私も頻繁に引用しますし、
 統計のあり方についても、
 中央と地方の問題などを中心に
 以前触れたことはありますが、
 「まあ、あまり深く考えないほうがよい」
 程度に受け取るべきだと思います。
 これだと若干語弊はあると思いますが、
 要はその統計データを鵜呑みにするのは危険だし、
 あまり疑ってみても前に進まない、ということです。
 以前もお話しましたが、中国の統計データはもとからおかしいのだ、
 ただし、同じ基準で定点観測している限り、
 変動しているその推移は、
 元のデータよりも高い確率で
 実情を示しているとは言えるかもしれません。
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