第460回
人民元が最高値更新、1ドル=8.07元台に突入か
人民元は2005年11月23日と24日に
2日連続で切り上げ以降の最高値を更新しました。
それでも7月21日の切り上げ後
設定された水準と比べて、
11月24日の終値はわずかに
0.36%ほど上昇したにすぎません。
ともかく人民元高の傾向が
はっきり示されたのは間違いありません。
米国のブッシュ大統領が訪中
(2005年11月19日〜21日)したのと
関連があるのかともされています。
元高を強く望む米国の大統領が訪中することで、
再度の切り上げを含む一連の動きが
加速されるかもしれないという思惑は
確かにあったかもしれません。
ただし、今回の元高基調が
米大統領の訪中が大きな要因であった場合、
今回の元高基調は
長く続かない可能性が高いといえます。
中国は再三明言しているように、
外圧では決してレートの調整を行いません。
7月21日の切り上げも、
直前になって米国に通達したらしいことは
伝わっていますが、
中国主導で行われたものです。
今回の、ブッシュ大統領の訪中では、
人民元と貿易問題が
大きな議題になったことは間違いありません。
そもそも人民元の問題と米国の貿易赤字問題は
リンクしているという認識が米国にはある中で、
この二つを別個に取り上げるような形になったのは、
米国そのものとはいわないまでも、
少なくともブッシュ大統領の
対中政策の変化の表れかもしれません。
とはいうものの、
11月24日は1ドル=8.0805元で取引を終えています。
12月になるとみられた1ドル=8.07元台への突入が
早まる可能性も出てきており、
早期の元高を望まない
人民銀行による市場介入の可能性が
高まってきているとみる向きも出始めているようです。
相変わらず、1日の取引の変動幅は、
制限ラインの上下0.3%を
大きく下回る水準で推移しており、
常日頃からの市場介入の疑いは強いといえますが、
このまま断続的に元高が進むようなことになれば、
次の一手は近いようにも思えます。
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