第458回
上場最有力の鉄道3社、小規模企業だからこそ優良
2005年11月、
今後2年以内に上場が検討されている
中国の鉄道事業において、
その最有力候補である
中鉄集装箱運輸有限公司
(中国鉄道コンテナ運輸)、
中鉄行包快遞有限責任公司
(中国鉄道手荷物エクスプレス)、
中鉄特種貨物運輸有限責任公司の3社は
いずれも多かれ少なかれ
中国鉄道部及びその支局、
あるいはその関連事業体の資本が入った、
鉄道輸送に従事する会社です。
社名がその行っている事業を
ほとんど示しているといえます。
(特種貨物は特殊貨物)
中鉄集装箱運輸有限公司は
登記資本12億元、
04年時点における総資産は22億元、
株主は現在まで15社で、
鉄道部中鉄集装箱運輸センターが
51%を占めているほか、
残りの49%は北京や上海、広州など、
鉄道部直下の地方の鉄道支局(鉄路局)が
保有しています。
コンテナですと海運が目立ちがちですが、
西部大開発や東北振興など
内陸部の活性化には
やはり陸運による物流が必須であり、
そうした意味で
幅広い事業キャパがあるといえます。
中鉄行包快遞有限責任公司は
03年11月に誕生したばかり、
登記資本は10億元で、
やはり中国鉄路対外服務総公司が
51%株式を持っているほか、
北京や上海の支局および、
中国(香港など除く)の
鉄道事業唯一の上場会社である
広深鉄路(コウシンレール、0525)の親会社でもある
広州鉄路(集団)公司などが
あわせて49%を保有しています。
手荷物関連では大規模なネットワークを有し、
その上、郵政分野にも参入して
合弁展開しているなどが強みになっています。
中鉄特種貨物運輸有限責任公司は、
登記資本10億元、
鉄道部直属の特殊貨物運輸企業です。
上海や広州、鄭州など
どちらかといえば沿海地域で
事業を展開しているのが特徴です。
特に冷凍貨物や
家畜の鉄道輸送の輸送に強みを持ち、
上海を拠点として、鄭州や武漢、
さらに香港までネットワークを有し、
昆明、成都、蘭州など
西部地域にも展開しています。
いずれも登記資本10億元前後と
非常に小規模ですが、
その分、不振と赤字経営にあえぐ
中国鉄道のあまり多くない優良資産を集めて出来た、
資本政策的会社とも言うべき存在といえるかもしれません。
上場自体はもう少し先になるかもしれませんが、
今後、中国において物流というものが
よりクローズアップされるのは間違いなく、
鉄道分野ではこの3社に注目したいところです。
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