第456回
「鉄道建設基金」をカット、鉄道事業の改革急ピッチ

中国の鉄道事業の株式上場計画は、
すでにかなり以前から
進められていたものと思われます。
中国政府は2004年初頭、
「中長期鉄道網ガイドライン」を取り纏め、
中国は2020年までに
2000キロメートルの高速鉄道建設を含む、
10万キロメートルの鉄道網完成を
目指すことを発表しました。
その総投資額は2兆元、
日本円にして30兆円に近い規模です。
慢性赤字の中国の鉄道事業に、
いくら政府がバックアップして
国債の発行などを行ってみても、
それだけで調達できる規模ではなく、
このガイドラインが取りまとめられるより以前から、
優良資産の株式上場計画が念頭にあったのは、
今までの中国政府の国有企業改革をみていれば、
想像できます。

優良資産の株式上場について、
はっきりと発表され始めたのは
04年7月ごろからです。
この頃になると、
外資を含む民間企業の鉄道運営と
その投資の開放を軸とした
中国鉄道事業全体の資本政策の策定が
進められていることが明らかになってきます。
その目玉が、優良資産の株式上場です。
その時以来、上場する会社最有力は、
中鉄集装箱運輸有限公司
(中国鉄道コンテナ運輸)、
中鉄行包快遞有限責任公司
(中国鉄道手荷物エクスプレス)、
中鉄特種貨物運輸有限責任公司の3社でした。

04年8月、これまで、中国の鉄道部門が
「鉄道建設基金」という名目で受けてきた補助金が、
05年から撤廃されることが明らかになってきており、
これは、中国鉄道事業にとっては
大きな資金源を失うことを意味しますが、
逆に、中国政府にとっては、鉄道事業に対して、
国に頼らず、あらゆる方法で資金調達せよ、
とした環境整備の一環だったかもしれません。
民営化を急速に推し進める効果も狙ったかもしれません。

上記3社のほか、
基幹路線である大秦線と膠済線を
スピンオフさせる可能性もあるとされます。
大秦線は石炭生産の一大拠点である山西省・大同市と、
中国北方の海運の一大拠点である
河北省・秦皇島を結ぶ約680キロメートルの路線、
膠済線は山東省の青島市と済南市を結ぶ
約385キロメートルの路線です。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
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2005年11月23日(水)

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