| 第454回鳥インフルエンザで動く香港市況をチェック
 若干古いデータにはなってしまいますが、鳥インフルエンザが中国でも騒ぎになった
 2005年10月末から11月初めにかけての
 香港市場の値動きは、
 ほとんど鳥インフルエンザに
 左右されるような展開であることが、
 この期間の市況を読み解くと分かります。
 05年10月24日から11月7日までのハンセン指数の推移を見てみると、
 10月28日に急落、その後反発しましたが、
 11月7日にまた急落しています。
 これらの急落は、いずれも中国大陸を中心に
 鳥インフルエンザの感染拡大が発表されたことや、
 中国国内で初めてとなる感染者が出たと
 発表されたことなどが
 大きな要因となっています。
 ハンセン指数全体では、上げている日でも、
 鳥インフルエンザの関連報道
 (感染拡大などネガティブ報道)が出れば、
 航空、小売、食品、観光、
 ホテル等の関連銘柄が売られ、
 医薬関連が買われています。(10月25日−26日)
 05年において世界最大のIPO(新規株式公開)となる
 建設銀行の香港上場初日となった10月27日には、
 以前にも紹介した、湖南省で死んだ
 鶏肉を食べた女児が死亡するという件に対して、
 外交部が否定し、
 翌日には国としてきっぱりと否定したものの、
 湖南省では鳥インフルエンザ関連報道が目立ち、
 国の対応も若干後手に回ったことから、
 相場でも警戒感が強まり、
 翌日の急落につながりました。
 10月31日は人への感染がないとする報道から安心感が広がりましたが、
 11月1日は感染抑制が
 まだ成功していないとの見方も一時広まりました。
 翌2日に行われた国務院常務会議では
 鳥インフルエンザ対策の方針がまとめられ、
 それが3日になって発表されたことを受けて、
 3−4日は比較的安定した値動きを見せたようです。
 しかし、6日になって、
 新華社が湖南省における
 中国初の感染者の可能性を報じたことで、
 翌取引日となる7日の急落につながりました。
 こうしてみてみると、面白いように、鳥インフルエンザに左右されています。
 中国(香港市場)という
 特殊な環境であることを考慮しても、
 株式市場はやはり実体経済の天気図ですので、
 今後、鳥インフルエンザの影響が
 より顕在化することはもちろん、
 一定期間、鳥インフルエンザによって、
 相場が動きそうです。
 
           
            | −ハンセン指数と鳥インフルエンザ動向−05年10月24日〜05年11月7日までの終値推移
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