第451回
ついに中国でも人への感染か、鳥インフルエンザ
鳥インフルエンザが猛威を振るい始めています。
2004年の騒ぎが混乱した後、
中国では05年5月に青海省で確認されました。
来日中の呉儀・副首相が
小泉・首相との会談をドタキャン、
緊急帰国した際、
後に靖国問題のためとはっきりしましたが、
一時、この鳥インフルエンザが発生したことが
要因ではないかと見られたこともありました。
時期的にも重なります。
呉・副首相は衛生部の部長を務めたこともあり、
新型肺炎SARSやエイズ問題などに
積極的に取り組んできた手腕は
今でも高く評価されていますので、
中国国内における
鳥インフルエンザ再発の一報とともに、
当局が呉・副首相を指揮官に起用することは
全く矛盾がありませんでした。
それはともかく、
それから5カ月後の10月に入ってから、
相次いで鳥インフルエンザが
確認されるようになります。
05年11月7日現在、安徽省、内モンゴル、
湖南省、遼寧省などで発生、
家きん類の死亡や処分が行われました。
湖南省では、10月中旬になって、
死んだ鶏の肉を食べた後に
インフルエンザの症状を起こして
12歳の女児が死亡するという案件が報告されました。
鳥インフルエンザは、鶏肉や卵を食べて
人に感染することはないとされていただけに、
第一報は衝撃的でしたが、
10月28日に国務院が行った記者会見で、
「検査の結果、陰性だった」と発表され、
中国初の人への感染、
世界初の鶏肉を食べることでの感染は、
この時点では否定されました。
しかしそれから2週間ほどたった11月6日、
やはり同じく湖南省で
3人が原因不明の肺炎にかかり、
そのうち1人が死亡したことが発表され、
専門家は、
「3人は現時点では、
原因不明の肺炎と診断されているが、
H5N1型の鳥インフルエンザに
感染した可能性も排除できない」
と説明しています(05年11月7日時点)。
一難去ってまた一難、
鳥インフルエンザについては、
中国の経済や社会を見極めるうえで、
今後まだまだ重要なファクターになりそうです。
−中国における2005年の鳥インフルエンザ発生地域−
・台湾(10月中旬) ・安徽(10/24)
・内モンゴル(10/24)
・湖南(10/25) ・遼寧(10/26) ・湖南(11/06) ・遼寧(11/06)
※日付は原則として公式発表があった日。
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