第431回
小泉首相の靖国参拝、外交の失敗は経済的打撃にも

2005年10月17日、
小泉首相が靖国神社を参拝しました。
形式はかなり簡素なものになりましたが、
裁判所による違憲判断があった
ほとんど直後といえる時期、
秋季例大祭にあわせての参拝で、
首相就任後5度目。
日本国内でも賛否両論ありますが、
中国と韓国からもかなり強い反発があり、
今後しばらく外交問題としても
沈静化することはないでしょう。

中国から見れば、
参拝したのは事実であり、
形式が簡素化されたとしても、
それがアジア諸国への配慮とは考えないはずです。
王毅・駐日国本大使は、
「小泉首相は必ずや、日中関係を破壊した
 歴史的責任を負わねばならない」
と強い口調で非難しています。
現地でのテレビ報道は
2回目となる有人宇宙飛行
「神舟6号」無事帰還と重なったことと
政治的な判断からか、
かなり控えめな報道にとどまったようです。

しかし、インターネットでは
かなり活発な日本パッシングが行われています。
ただし、05年4月の反日デモの時と比べると、
ネットでもかなり押さえ気味なところも見られます。
これ以上日中関係が
こじれることのないよう配慮した
当局の指導が入った可能性もあります。

日本株への影響はてき面だったようです。
特に中国で積極的に事業展開している、
いわゆる中国関連株には
かなり大きなダメージになったようです。
これに対して、一部投資家の皆様からは、
[マスコミによる過剰報道」を
叱責するような意見がみられました。
外交問題を煽り立てて、
株価に無用に影響を与えている、
ということのようです。

ただ、経済のグローバル化が進む中で、
好き嫌いに関わらず、
すでにその動きが世界経済を
左右するまでになってきているのが中国であり、
日本にとってその中国との関係は、
もはや外交関係ばかりでなく、
経済や企業活動にも
直接的に影響を与える可能性があることは
認識されるべきであり、
今回の靖国参拝も、基本的には日本外交の失敗、
さらにはその失敗から派生した
経済的打撃になる可能性があるものとして
受け止めるべきだと、個人的には思います。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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2005年10月19日(水)

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