| 第420回3Gサービス開始でも楽観できない中国移動のARPU
 前回に引き続き、ある読者の方から頂いた
 第415回の
 「1人あたり収入比較:中国移動 VS NTTドコモ」
 についての質問に答えさせていただきます。
 中国移動(香港)有限公司
 (チャイナモバイル、0941)の
 ARPU(1契約当たり月間平均収入)について。
 > 2000年より前のNTTドコモのデータが> わからないので推測なのですが、
 > NTTドコモもコンテンツが充実したり、
 > 3Gが普及する前は
 > 大きく下げたりはしていないのでしょうか?
 > というのも、中国移動も
 > ここ2年間の下がり幅は
 > 少なくなっているように見えるからです。
 上記のご指摘も的を得たものといえます。前回と引き続き、時間軸の問題となります。
 ただし、前回も指摘したように、
 両者はかなり異質ですので、
 時間軸の調整は、難しいと思われます。
 前提として、私は総じて中国移動は有望な銘柄だと考えています。
 ただし、現在株価としては上昇中ですので、
 このタイミングで買い入れるかどうか、
 というのは別問題として、
 あくまでも企業としての業績や
 事業性についてです。
 中国移動が第3世代(3G)携帯電話サービスをスタートさせることで、
 徐々にARPUの下げ率を
 縮小させていくことも予想されます。
 また、ご指摘の通り、直近だけを見ると、
 中国移動のARPUは下げ止まりの傾向が見られ、
 最新の情報に基づくと、
 2005年通年、もしかすると、
 その下げ率は04年のものと比べて
 低い水準にとどまることも考えられます。
 しかし、ARPUは3Gなど高付加価値サービスの展開及び
 普及だけで下げ止まると考えるのは、
 若干楽観的だと思われます。
 というのも、NTTドコモでさえ、
 3Gサービスが広範囲に普及し、
 利用されている直近の05年3月期
 (04年4月〜05年3月)において、
 前年比8.75%下げています。
 01年3月期以来最大の下げ率です。
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