| 第413回携帯新規加入のやみ雲な増加は業界にむしろマイナス
 中国携帯電話業界最大手の中国移動(香港)有限公司
 (チャイナモバイル、0941)は、
 競合他社との激しい競争もあり、
 新規加入件数を増やすことに注力しています。
 数字の上では、その成果が現れています。
 05年7月と8月の新規加入件数は、
 単月ベースで過去最高を
 2カ月連続で更新しています。
 過去を振り返ってみてみると、中国移動は新サービスや競争激化を受けて、
 定期的にあるいは不定期に
 新規加入件数獲得に
 力を入れている状況が見えてきます。
 例えば、04年2−4月、
 サービスブランド「神州行」への
 販促強化が数字に表れています。
 そして、ここ数カ月、新規加入件数が伸びていることは、
 原則的に、中国移動にとっては好材料です。
 ただし、最近の動きを見ていると、
 新規加入件数の伸びは、
 むしろ携帯端末の価格低下や
 競争激化に伴う通信料金の低下などによって
 けん引されているもので、
 その観点から言えば、
 様々なデータから考えて、
 現在新規に携帯電話を加入する人たちは、
 都市部のそれほど所得の多くない階層
 ということができます。
 つまり、都市部の裕福層や中間層以上の階層では、
 携帯電話は当たり前になり、
 それが一巡したところで、
 携帯電話端末やサービス料金の低下もあって、
 都市部の中低所得層の間にも
 携帯電話が広がり始めている、という構図です。
 このペースで行けば、中国移動の上層部が04年末に豪語したように、
 08年には中国移動単体でも加入件数5億、
 中国全体では6億以上に到達しても
 おかしくありません。
 しかし、ただ単純に加入件数を増やすという方法は、
 実は中国移動
 (ばかりでなく、中国の携帯電話業界)にとって、
 あまり好ましいものではないかもしれません。
 当然、中国移動も含めて、業界全体としても
 高付加価値サービスに向けた準備や
 投資計画なども練られているとは思いますが、
 一方で、新規加入件数の重視に関しては、
 気になるデータも存在しています。
 
           
            | −中国移動(チャイナモバイル、0941)月間総加入件数と株価の推移− |   
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            | ※株価:各月末時点の終値 |  |