| 第414回中国移動の1人あたり収入:99−04年までで3分の1に
 中国移動(香港)有限公司(チャイナモバイル、0941)の
 総加入件数の推移を見てみると、
 中国の携帯電話関連業界の活況を示すとおり、
 この3年ほどの間で、
 ほとんど倍増するような勢いで伸びています。
 04年7月に、総加入件数がいきなり増えていますが、
 これは親会社の資産を
 買収したことによるものです。
 株価の推移を見てみても、基本的には総加入件数の推移と
 軌を同じくして推移、
 特に05年に入ってからは
 完全な右肩上がりを見せています。
 これには、1−3月や1−6月の業績などが
 市場予測を超えたこと、
 さらに前回までにお話した、
 新規加入件数がここにきても
 急速に伸びていることが好感されたようです。
 05年7月と8月の新規加入件数は、単月ベースで
 過去最高を2カ月連続で更新していますが、
 その2カ月目の8月のそのデータが発表された時の、
 同社株価は5%を超えるほどの伸びをみせました。
 一方で、中国移動のARPU(1契約当たり月間平均収入)は
 確実に下がってきています。
 1999年は300元近くだったARPUは、04年にいたって、
 実に約3分の1の92元にまで落ち込んでいます。
 99年時点、中国において携帯電話はまだまだ高額商品及びサービスであり、
 一部の人に利用されるにとどまっていたため、
 ARPUも自然に高い水準になるのは理解できます。
 また、ARPUが携帯電話の普及とともに
 下がっていくのは全く珍しいことではなく、
 むしろ当たり前のことで、
 これは中国移動に限らず、
 例えば日本のNTTドコモも
 同じような傾向にあります。
 だから、ARPUが低下すること自体は特に大きな問題ではないのですが、
 その下げ幅があまりにも急であることは
 懸念すべき事項といえます。
 99年から04年まで、
 年間平均20%の勢いで、
 中国移動のARPUは縮小しています。
 
           
            | −中国移動(チャイナモバイル、0941)のARPUとその減少率の推移− |   
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