第411回
中国の銀行のリスクは小? 国有四大銀上場控えて
交通銀行に続いて、
中国建設銀行(2005年10月ごろ)と
中国銀行(06年前半)の株式上場が
現実のものとなりつつあります。
両行とも、国有四大銀行の中でも、
中国の全銀行の中でも
財務体質的にもまだ優良だとされています。
前回までにお話したように、
旧例に漏れることなく、
上場間もなくの両行は
急ピッチで体制を整えていることでしょう。
欧米の銀行及び
金融機関による出資を積極的に募ることも、
その戦略の一環だと思われます。
上場後、両行の展開が
吉と出るか凶と出るか、
まだまだ見えにくいところがありますが、
やはり、上場したからこそ、
さらにコーポレートガバナンスを含めた
内部整備が加速する可能性は
小さくはないと思えます。
何よりも、国有四大銀行は、
中国の金融界のみならず、
経済全体から考えても、
現代中国そのものの重鎮であることは
間違いありません。
中国農業銀行など、
問題が多すぎる銀行に対する大鉈を
振るうなどのことはあったとしても、
この四大銀行が、
たとえそのうちの一つにしても、
窮地に陥るようなことは、
中国政府はもちろんですが、
中国の経済活動の総意として
ありえないことともいえます。
リスクはあります。
ただし、今までの例や
今後の展開を想像するに、
中国の銀行というのは、
日本で考えられているよりは、
リスクは小さいのかもしれません。
欧米の銀行及び金融機関が相次いで、
競い合うように四大銀行を中心とした
中国国内の銀行に出資しているのは、
それを端的に示しているように思います。
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