第408回
中国国内の銀行に対する世論の評価、日系の進出は?
前回、欧米の銀行や金融機関が積極的に
中国国内の銀行に資本参加しつつあること、
また、それに関連した
世論調査の結果の一部をご紹介しました。
世論調査の結果では、
現時点において、中国国内の銀行が
欧米の銀行や金融機関の投資を受け付けるのは、
「欧米の先進的な経管理技術や理念の導入」が
目的としており、ここから考えて、
中国現地でも中国国内の銀行が立ち遅れている
という認識があるようです。
それは、やはりこの世論調査で、
「現在、中国の金融サービス市場の発展をどう考えるか」
との問いで、まずまずよいと回答した人が
実にわずか7.87%、
逆に、非常にひどい状態だとした人が
27.47%に達していることからも分かります。
しかし、それでもやはり
欧米の銀行や金融機関による参入が相次いでおり、
それに対して、
中国現地でも高く評価していることから考えて、
現時点において問題は多いし、
立ち遅れてはいるが、
今後は多くの可能性を秘めている、
という認識が
中国現地の一般的な見解といえそうです。
中国工商銀行、建設銀行、
中国銀行、中国農業銀行
という国有四大銀行は、
株式上場のための準備を積極的に進めています。
規模の大きすぎる中国工商銀行や、
国有四大銀行の中でも
体質的に大きな欠陥を
抱えているとされる農業銀行は若干、
その準備が遅れ気味ともされていますが、
建設銀行が05年10月に
上場するのではないかとの観測が広がり、
中国銀行も06年の前半に
上場が実現するのではないかとされています。
今回の一連の外資による
中国国内銀行への資本参加に際して、
日系資本の金融機関の名前は
ついに上がってきませんでした。
端的に、高リスクを恐れてのこと、
とも言われますが、
現在のしり込みが
将来的な取り戻せない遅れに
つながるのではないかと警戒する
日本の一部識者も存在しています。
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