第398回
豪州ガス田:CNOOCとシェブロンの奇妙な関係
中国海洋石油
(CNOOC、0883)の決算発表では、
米ユノカル社の買収騒動で
敵対関係となった米シェブロン社と
事業提携を進めているのではないか、
との報道に対して、
これを否定する発言がありました。
提携に関する協議は開かれていない、
ということです。
ただし、シェブロン社とは、
オーストラリアのガス田で関係してきています。
これはユノカル社の買収騒動とは
まったく別で動いていたものともされていますが、
騒動がピークに達した2005年7月ごろ、
中国海洋石油とシェブロンの対立で、
このオーストラリアのガス田計画が
あまりうまくいっていないのではないか
との報道も聞かれました。
オーストラリアのガス田計画とは、
豪州・西オーストラリア州の北西の沖合いにある
Greater Gorgonガス田開発プロジェクトのことで、
外部には05年3月頃から明らかになってきたものです。
それによると、その当時は、
現時点ではまだ
具体的なタイムテーブルを策定しておらず、
現在、同ガス田プロジェクトの株主たちが
調整を行っている最中で、
それが完了するのを待ってから
ということになるとしていました。
05年7月になって、
まさにユノカル社買収で揺れ動いている時、
共同でこのプロジェクトを進めようとしていた
中国海洋石油とシェブロン社は、
この件についての話し合いが、
物別れに終わったという報道が流れました。
中国海洋石油ではこれを否定していますが、
その否定会見では歯切れが悪く、
少なくともこのプロジェクトが
あまりうまくいっていないことが
想像されたようです。
そもそもこの計画は、中国海洋石油が、
シェブロンからオーストラリアGorgonの
液化天然ガス(LNG)プロジェクトにおける
天然ガスの供給を受けるというものです。
25年間にわたり
8000万−1億トンの天然液化ガスを
供給する方向で協議が進められていました。
シェブロン社はこのプロジェクト経営者で、
50%の権益を保有しており、
中国海洋石油との契約額は
300億オーストラリアドル
(約2兆4900億円)に達するという
非常に大規模なものでした。
契約額で折り合いがつかないともいわれてきましたが、
この件はまだまだ進展中のようです。
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