| 第399回原油高で企業業績は悪化/ペトロチャイナの新株発行
 原油高の折、石油セクターからは目が離せません。
 また、ここに来て、
 いろいろ石油関連で動きがあるのは、
 ある意味で、必然なのかもしれません。
 上流の価格が上がれば、川下の方の価格も上がる、
 つまり原材料の高騰が起きて、
 その原材料を生産財として
 購入する企業のコストが上がり、
 そうした企業の収益状況が
 悪化する現象が起きています。
 中央企業、工業企業の数字などを見ても、中国において、全般的に企業収益が
 低下傾向にあるのは明らかです。
 中国本土上場の1300社以上の
 2005年1−6月中間期決算の統計を見ても、
 やはり全体としては企業収益は低下しています。
 すべてが原油高、あるいは高止まりに伴う
 コスト増のためと断言するには、
 あまりにも企業努力を無視した判断になりますので、
 私としては、コスト増の中でも
 それを食い止める努力が
 中国企業に求められている時期だとは思います。
 ただし、実際問題として、05年通年は、何とか持ちこたえるかもしれませんが、
 投資抑制策がようやく実体経済にも
 その影響を及ぼすようになってきており、
 企業各社の資金繰りも
 楽なものではないはずですので、
 06年は正念場になりそうな気がします。
 こうした状況の中で、多少の犠牲は払うことになるかもしれませんが、
 その問題を棚上げにするような形で、
 中国政府、あるいは関係企業が
 石油を中心としたエネルギー確保に動いています。
 コスト増は政策的な措置を行えば、
 ある程度緩和できるにもかかわらず、
 それを先送りにするのは、
 やはり顕在化したもの、
 あるいは潜在的なものを含めた
 深刻なエネルギー不足があります。
 ここで、しっかりと確保しなければ、
 今後数年、十数年と続けていく予定の
 高度成長の実現が危ぶまれます。
 中国石油天然気(ペトロチャイナ、0857)は31日、最大で31億6483万4000株のH株を
 発行すると発表しました。
 調達資金額は実質170.02億元になる見込みです。
 これらの資金は、
 主に海外資産を含む買収に当てられるようです。
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