| 第397回CNOOC決算:68%増益も「市場の予測範囲内」
 米ユノカル社の買収騒動で、結局は買収計画からの撤退を
 2005年8月初旬に発表した
 中国海洋石油(CNOOC、0883)。
 米中のエネルギー安全保障が真っ向から対立した、
 むしろ政治的な問題としても考えられる
 この一件を通じて、
 中国のエネルギー確保の姿勢が本気なものであり、
 今後世界市場を左右する要因として
 考えられるようになってくることを
 示唆するという意味で、
 重要な節目になりそうです。
 これ以後も、前回までに紹介した
 中国石油天然気(ペトロチャイナ、0857)系が
 海外エネルギー資源の買収を進めるなど、
 中国のエネルギー確保の動きは
 鎮静化するどころか、
 むしろはっきりしてきています。
 その中国海洋石油が同年8月30日、1−6月中間期決算を発表しました。
 前年同期と比べて34.99%増収、
 同じく68.55%増益となっています。
 先に発表した中国石油天然気と比べて、
 純益額は約6分の1ほどとなる118億元ですが、
 増益率は中国石油天然気(36.1%)と比べて約2倍。
 堅調は堅調ですが、
 これらの数字は市場の予測範囲内で、
 これがすぐに株価に反映していくとは
 考えづらい状況です。
 インドネシア油田の生産量が予想を下回ったことなどを受けて、
 1−6月の原油および天然ガスの生産量は
 予測値を下回る結果に終わったようです。
 それでも、2005年通年の目標生産量を
 これまでの予測値に据え置き、
 原油換算で1.6億−1.65億バレルとしています。
 1−6月の原油価格は1バレル当たり43.91米ドルで同36.4%増でしたが、
 06年における原油価格を
 1バレル当たり平均55米ドルと予測しています。
 一時期は、06年には原油価格の反落が
 ありうるのではないかと
 業界で言われてきましたが、
 今回の中国海洋石油の発表では
 それを否定する形となり、
 むしろ05年よりも原油価格を高く設定することで、
 業績好調の持続をアピールしています。
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