| 第369回元切り上げが上海B株に影響、政策的措置望まれる
 7月21日、人民元の2%の切り上げと、変動相場制移行に向けた方針が発表されました。
 2%という切り上げ率を
 どのように考えるかですが、
 やはり15日から18日にかけて、
 上海B株が急落した
 13%という幅以上での見直しは行われず、
 現地のアナリストからは、
 今回のB株暴落が
 人民元切り上げに対する反応であれば、
 それはあまりにも過剰に反応しすぎたもの、
 との見解が聞かれます。
 申銀万国証券のアナリストによれば、上海B株指数は
 まだまだ底を探っている段階であるものの、
 50ポイントをそう簡単に割ることはなく、
 むしろそれ以前に
 反発するのではないだろうかといいます。
 人民元の切り上げにしても、
 理論的には切り上げ率と同じような形で、
 値上がりすることも十分にありえるもので、
 人民元切り上げが必ずしも
 上海B株にとっての悪材料とはならないはず、
 と見ています。
 一方で、上海B株はもちろんですが、深センB株も上海B株ほどではないにしろ、
 15日から18日にかけて急落しています。
 今回のB株の急落が、
 上海総合指数の1000ポイント割れという現象を
 後押しすることになるのではないか、
 と見る向きもあります。
 上海B株が2日間で
 13%以上も下げたことが与える
 市場への心理的な影響は決して小さいものではなく、
 短期的に上海総合指数が
 1000ポイントを割ったとしても
 おかしくない状況であることは間違いありません。
 市場救済策への動きもあります。中央銀行の中国人民銀行が
 100億元の資金を
 証券会社の資金流動性向上のために投じる、
 というものです。
 ただし、これは翌日には否定されています。
 証券会社の資金流動性のためではなく、
 投資家保護のための
 基金設立のための準備金との見解が、
 人民銀行関係者から伝えられたためです。
 今回の件はただの憶測となりましたが、市場の救済策は急務であり、
 今回のような無責任な憶測が流れないためにも、
 当局はしっかりと対応する必要がありますし、
 実際そうした動きも今後見られるかもしれません。
 中国本土が政策市場であることは当面変わりません。むしろ市場が落ち込んでいる時だからこそ、
 政策市場としての強みが発揮されなければなりません。
 市場の弱気はすでに
 許容範囲を超えたものに発展する気配が濃厚であり、
 そのためにも政策的な動きに注目したいところです。
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