| 第367回苦戦続く電力、発電コスト上昇以外の要因も視野に
 電力銘柄で業績の苦戦が続いています。最大手の華能国際電力
 (ファネンパワー、0902)は、
 8月10日に発表を予定している
 05年中間期決算で
 30−40%の減益になるとの見通しを示しました。
 05年1−3月では
 43.8%の減益を発表していましたので、
 それよりもいくぶん持ち直したことにはなりますが、
 大きな減益には変わりありません。
 1−6月の発電量自体は
 累計47.1%増となっているだけに、
 この大幅な減益は、
 石油や石炭の価格高騰が
 持続することだけに要因を求めるのは
 どうかとも思います。
 また、深セン南山電力(ナンシャンデンリョク、200037)は、
 業績予測を発表して、
 6月中間期決算で前年同期と比べて
 50%以上の減益となるとしました。
 やはり国際原油価格の高騰や
 不安定な市場動向による
 発電コストの増加を主因として説明しています。
 自社による発表ばかりでなく、証券会社による利益予測でも
 下方修正と判断される電力銘柄が目立ちます。
 華電国際電力(ファディエンパワー、1071)は
 CLSA証券やUBS証券から、
 この6月から7月にかけて
 相次いで05年と06年の予想利益を
 数%の割合で下方修正されています。
 また、大唐国際発電(ダタンパワー、0991)は、シティグループ・スミス・バーニーによって、
 投資判断は「買い」に据え置かれましたが、
 目標株価を引き下げられました。
 ほかの電力会社よりは
 業績が良いともされている大唐国際発電も、
 予想利益に関しては、
 やはり数%下方修正されています。
 いずれも、発電量自体は伸びているにもかかわらず、発電コストが大幅に膨らんだことで減益、
 あるいは利益の下方修正が行われています。
 それだけならば、
 発電コストの上昇の原因となっている
 原油と石炭の価格が落ち着けば、
 業績は回復するということになります。
 ただし、一方で大幅な発電量の成長がありながら、
 あまりにも大きな減益となっている
 アンバランスさについては、
 もう一度電力セクター全般を
 じっくりと見極める必要があるかもしれません。
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