第366回
中国ビール、ホルムアルデヒドで時価30億円が消滅
ビール研究に携わる科学者が
6月中旬に、一部の中国メディアに対して、
「中国ビール業界では
ホルムアルデヒドの使用が暗黙の了解になっている」
などと投書、
7月に入ってから一部の中国メディアが
「中国産ビールの95%に人体に有害な化学物質である
ホルムアルデヒドが含まれている」
と報道しました。
日本でもアサヒビールなどが
対応に追われているようです。
7月13日になって、A株も上場している
中国大手のビールメーカーである燕京ビールは
「2002年から全面的に
ホルムアルデヒドの添加を停止している」と発表。
その他のメーカーからも
この報道に反発する見解を示す声明などが
発表されています。
国家品質監督検験検疫総局(AQSIQ、質検総局)は
同月15日午後、
中国国内で販売されているビールを抽出検査した結果、
「ホルムアルデヒドの含有量は少なく、
飲用に問題はない」
と発表しました。
一応は当局による安全宣言が出された形です。
中国は2002年から04年まで
3年連続でビール生産量は世界第1位。
中国国内における消費量も
順調に伸びてきています。
ただし、食に関わる安全性は人命にも関わりますし、
風聞の類も入れれば、
中国ではこの方面に対する問題は後が絶えません。
今回の件でも、A株を中心に
ビールメーカーの株価に直撃しています。
7月13日、燕京ビール(000729)は
1日に9.09%下げて、
時価総額にして1.78億元以上の損失となりました。
そのほか、恵泉ビール(600573)は5.5%下げて、
時価総額1890万元の損失、
青島ビール(600600)は1.6%下げて、同2800万元、
重慶ビールは1.7%下げて、
同1170万元と、総額で2.37億元、
日本円にして30億円の時価総額が
1日で失われた形です。
青島ビールのH株株価の動きを見てみると、
6月17日に終値8.5香港ドルをつけ、
その後若干下げて、
7月6日には8.4香港ドルとなりましたが、
7月13日には安値で8香港ドルを割り、
終値では8.05香港ドルまで下げました。
翌14日には反発していますが、
このホルムアルデヒドの騒動が収まるまでは
もう少し不安定な状態が続きそうです。
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