第364回
CNOOC:意見分かれるユノカル買収の効果
今回の中国海洋石油有限公司
(CNOOC、0883)による
ユノカル社買収がもし成功するとして、
どうなるでしょう?
これについては、
専門家の間でも意見が割れているようです。
CNOOCは以前までに社債などを発行し、
今回の買収金額の6分の1ほどに当たる
30億ドルの手持ち現金があるとされています。
そのほか、買収金額は
銀行借入を行うことが予想されるほか、
新株発行という方法も考えられます。
この新株発行については、
「今回の買収ですべきではない」
という意見が多数を占めているようです。
現時点において、どのような方法でも
EPS(1株あたり利益)を
減じるような手段をとるべきではなく、
むしろ、EPSの現状の水準を
維持しなければならず、
かつ新株発行を行っては
配当政策にも影響が出ることになって
好ましくないとする見方です。
ちなみに、2004年12月期に示された
2004年通年の中間及び期末、
それらの特別を含む配当額は、
2003年のそれを下回る水準でした。
04年12月期は40%前後の増益を
実現している中での配当水準の下降です。
買収を含む、
その他の業容拡大のための資金に当てる
というのが理由でした。
買収を一生懸命して、
配当政策が大幅に下方修正されるようであれば、
まさに本末転倒ということになります。
また、買収する予定のユノカル社の資産の多くが
利益率の低い天然ガス資源であることも、
同社の買収後の業績に
不安を抱かせるのではないかと
指摘する向きもあります。
中国のエネルギー需要は
今後増えることはあっても減ることはなく、
そのための業容拡大としての買収は
一つの方法としては非常に有効だと思われますが、
今回の場合、どちらかというと
やはり中国そのもののエネルギー政策と
密接に絡めた形で分析した方が
良いような気もします。
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