第363回
ユノカル買収の実態、政府主導の買収か?

最新の報道によれば、
純粋な「企業の行為」としてみれば、
中国海洋石油有限公司
(CNOOC、0883)による
ユノカル社(米国業界9位)買収は
順調に進んでいるようです。
もともとユノカル社の買収に動いていた
シェブロン社(米国業界メジャー)が、
この買収の見直しに動いている、
あるいは一部情報では、
185億ドル(2兆円)ともされる
CNOOCのユノカル社の買収提示額が
引き上げられるともされています。

日本円に換算して
時価総額2.2兆円程度とされるCNOOCが、
その時価総額と同程度の金額を用意して
買収に動いているあたりで、
その本気度がうかがえます。
大きな賭けになる可能性もありますが、
ユノカル社が保有している
アジア資産やメキシコ資産などが
かなり大きな魅力になっているようです。

しかし、今回の買収に関しては、
買収における競争相手である
シェブロン社の買収に対する勢いが失速すれば、
CNOOCに有利になる、
という単純なものではありません。
米中間のエネルギーにおける安全保障とも
密接にかかわりがあります。
ここまで話が大きくなると、
純粋なビジネス行為にはなかなかならず、
政治的な動きにも注視しなければなりません。

米国政府の不安を払拭するため、
CNOOCはユノカル買収によって、
米国のエネルギー市場に与える影響が
極めて小さいこと、
そのアジア資産を有効活用すること、
メキシコ資産によって、
米国のエネルギー輸入を
下支えする方針であることなど、
いろいろなコメントを発しております。

しかし、日本円にして
2兆円以上とも言われる巨額の買収資金について、
一部情報では、
CNOOCは中国の国有銀行
(あるいは親会社とも)から
無利子無担保に近い形で
供給を受けるともされています。
そうなると、CNOOCの背後に中国政府あり、
とどうしても米国側には
受け取られることになります。
つまり、中国政府が本気になって
海外のエネルギー資産を
買いあさり始めたのではないか、
ということです。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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2005年7月15日(金)

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