第356回
鉄鋼セクターに気になる報道:急成長後の反動は?

6月末、若干気になる報道が出ました。
国務院が2005年、中国の鉄鋼業界が
原材料価格の高騰や
固定資産投資の減少などの影響を受け、
業界全体で利益が
大幅に縮小するだろうとの予測を発表したのです。

国務院発展研究センター(DRC)によれば、
今年通年の鉄鋼生産量は
前年比17.7%増の3.48兆トン。
ただし需要の伸びは10.2%増にとどまり、
総需要量は3.05兆トンとなる見込みとしています。

前回の業績レーティングでも、
今回でも、鉄鋼銘柄は
高評価の常連セクターとなっています。
2003年から2004年にかけて
ほとんどの銘柄で、
国内需要にけん引される形で
急成長を果たしたことが主因です。

ただし、今後、
鉄鋼業界は急成長してきた反動、
もしかすると厳しい時期を
迎える可能性も否定できません。
需要水準の高止まりは
十分にありえることですが、
少なくとも、今までのような
需要の急成長は
考えられないかもしれません。

前回紹介した
A評価の高配当利回り銘柄の中でも
上位5位の中に二つ、
鉄鋼銘柄がランクインしています。
鞍鋼新軋鋼(0347)と
馬鞍山鋼鉄(0323)です。
業績ベースでは当然です。
特に馬鞍山鋼鉄の方は、
今後ご紹介させていただく通り、
低PERでもあり、
低株価の銘柄でもあります。

鞍鋼新軋鋼や馬鞍山鋼鉄は
中国でも大手の鉄鋼メーカーであり、
業績の急転はあまり考えられませんが、
これまでの急成長のイメージがあまりにも強すぎて、
少しでも業績で弱い数字が出れば
(出る可能性は低くはないですが)、
市場は敏感に反応することが予想されます。

馬鞍山鋼鉄は2004年7‐9月で
減益になったことは紹介しましたが、
2005年1‐3月でも減益を発表しています。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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2005年7月6日(水)

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