| 第332回自動車の市場回復を先取り、デンウェイは?
 自動車の市場低迷に、若干光が差してきたようです。
 2005年は回復、2006年は高成長
 という言い方もされるようになってきています。
 個人的には、とことん楽観視するのは危険ですが、
 少なくとも、
 だいぶ底が見えてきたような感触を得ています。
 そもそも、所得水準がかなり違う日中両国で、
 自動車の価格だけは同じか、
 あるいは中国のほうが
 かなり高額となっていましたので、
 もろもろの条件が進めば、
 中国の自動車販売価格の値下げは
 当然の帰結であり、
 それが2004年を通じて行われてきました。
 現在でも、乗用車は少なくとも5万−10万元(65万−130万円)は
 することから考えれば、
 まだまだ中国の平均的な所得水準では
 高い気もしますが、
 一流企業の初任給が
 4000−5000元程度になってきていますので、
 本当の意味で、
 自動車というものが中国の人々にとっても
 高嶺の花ではなくなっているのは間違いありません。
 製品価格の値下げは、やはり利益率に影響します。
 2003年ごろ、中国の自動車業界は
 無条件で高収益業界とされ、
 異業界からの参入への動きが相次ぎました。
 例えば、やはり同じ頃
 爆発的な成長を遂げた携帯電話メーカーが、
 潤沢な資金を駆使して、
 自動車分野に進出するなどの話題もありました。
 しかし、今後は、業界そのものが
 無条件の高収益状態を維持することは
 まず考えられず、
 やはり本当の実力を備えた、
 しっかりとしたメーカーが、
 利益率の低下を極力抑えるなどの方法を講じて、
 生き残っていくことになるでしょう。
 中国株の自動車銘柄の代表格は、やはり駿威汽車(デンウェイモーター、0203)でしょう。
 そのほか、長安汽車(200625)、
 江鈴汽車(200550)なども業績は好調ですし、
 吉利汽車(0175)なども面白い展開をしていますが、
 現時点において、
 少なくとも乗用車分野において、
 デンウェイモーターほど
 見通しの明るいものはありません。
 |