| 第331回国際コンテナの業績と株価をどう判断するか
 中国国際コンテナ(200039)は2004年、売上高で前年と比べて倍増近くに、
 最終利益に至っては
 同じく3.5倍増近くになっています。
 数字だけを見れば異常です。
 それまで毎年のように
 増収増益を達成した上でのこの急成長です。
 中国の経済成長に合わせるように、
 本業のコンテナ製造・販売事業が急成長し、
 また、輸送用車両分野に本格参入、
 高収益を上げる事業に
 成長してきたこともありますが、
 売上倍増にもかかわらず、
 営業費用は前年と
 それほど変わらない水準に抑えたこと
 (管理費用は前年と比べて倍増)など、
 経営努力も認められます。
 さらに驚くべきことに、
 2005年1−6月の業績について、
 同社では100%を超える成長を見込んでいます。
 しかし、株価はかなり激しい値動きを繰り返しています。
 人民元の切り上げ観測により、
 一旦人民元が切り上げられれば、
 輸出を中心とする中国国際コンテナの業績は悪化、
 「急成長神話」は
 崩壊するだろうとの見方によるものです。
 今年、人民元の切り上げに関する問題は、
 中国経済の中心的な話題であり、
 そのたびに同社の株価も
 大きな影響を受けることは間違いなさそうです。
 2005年1−6月の業績で100%成長が見込まれると発表したのが4月25日、
 25日の終値は分割を経て、
 B株株価は11.89香港ドル。
 その後4月27日にかけて3.6%上がって、
 終値は12.32香港ドルとなりました。
 その後、ゴールデンウィーク(GW)中の
 人民元に関する政策発表という観測が
 広まったことを受け、
 GW直前の4月29日、
 GW明けの相場ともに、下がり続け、
 5月18日には9.45香港ドルまで落ち込みました。
 ホルダーの方はひやひやものかもしれませんが、個人的には、当面業績に心配なく、
 年内に行われるともされている
 人民元切り上げ(レート調整)も、
 そもそも予想される調整は、
 経済や企業業績に影響を与えるほどの幅で
 行われる可能性はほぼ皆無であり、
 株価的にはもしかしたら急落も
 ありえるかもしれませんが、
 むしろそのときこそ仕込み時かもしれません。
 |