| 第329回目安は「長期保有、安定」、交通銀行を見極める
 そもそも交通銀行はA株とH株の同時上場を目指していましたが、
 現在の状況から考えれば、
 H株のみの上場をまずは目指す
 ということになりそうです。
 この問題については、
 以前触れましたが、
 A株とH株の同時上場の機が
 熟していないことのほかに、
 中国本土の相場環境などとも
 関係があるかもしれません。
 また、以前までに交通銀行がA株とH株の同時上場にこだわっていたのは、
 HSBCの持ち株を中心とした、
 外資株比率の引き下げが
 狙いだったのかもしれません。
 中国では、金融機関のH株を含む外資比率は
 25%までと決まっていますが、
 今回、同時上場にこだわらずに、
 H株だけの単独上場に踏み切ったのは、
 この問題がクリアできる見通しが
 立ったからかもしれません。
 前回に続いて、交通銀行の投資価値についてですが、
 交通銀行が上場すれば、
 モルガン・スタンレーが発表するMSCI指数に
 組み入れられる可能性が高いとされています。
 当然、HISサービス社のH株指数にも
 組み込まれることになると思われます。
 そうなれば、投信を中心に
 注目が高まることは考えられます。
 ただし、前回までに説明したような条件において、交通銀行の公募価格に割安感はない、
 との見方が徐々に広がりつつあるようです。
 HSBCが資本参加した際の
 株価との比較からもそうですが、
 国有銀行ということもあり、
 規制が多く、高成長は望めない、との見解です。
 ピークと比べ、
 ほかの優良銘柄もかなり下落しているので、
 交通銀行が上場しても、
 買い入れる必要はないのではないかともされています。
 個人的には、交通銀行の公募価格が割高か割安かは現時点において、
 判断はできませんが、
 高成長銘柄では決してないことは間違いありません。
 基本は、やはり長期保有の安定銘柄として
 考えられるかどうか、かと思われます。
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